猫のストラバイトや膀胱炎、ホントの原因は含流アミノ酸の不足にアリ?

猫のストラバイト、本当の原因 猫のストラバイト

猫のストラバイトや膀胱炎、原因はいろいろ言われていますよね。
水分不足、寒さ、ストレス、粗悪な食事、、、

どれも原因のひとつにはなりうると思います。
しかし、もしこれらの要素を凌駕するような
根本的な原因があったとしたらどうでしょう?

管理人もみじは猫の食事についていろいろ調べているうちに
もしかしてストラバイトのホントの原因ってコレじゃないか?
と思えるものにぶち当たりました!

猫のストラバイトや膀胱炎、アンモニア対策がカギを握っている?

オシッコの中にリンやマグネシウムがあっても
それだけではストラバイトはできません。
アンモニアがあるからこそ、ストラバイトはできてしまうんです。

このことは
猫のためのストラバイト講座その3~真犯人は誰だ!?
で述べましたが、さて、このアンモニア、どうしたらいいんでしょうか?
対策はざっくり言うと2つです。

1.アンモニアが出てこないようにする。

アンモニアは本来オシッコの中にはないもの。
食べたものを代謝する過程で体内にアンモニアができますが
体は猛毒のアンモニアを尿素というものに変換して
オシッコの中に流し込みます。

この尿素が分解されてしまうからオシッコのなかに
アンモニアが出てきてしまうんです。

尿素を分解してしまう犯人は主に細菌、その中でも
ウレアーゼという酵素を持つ細菌群が尿素を分解します。
この細菌たちをまとめて「ウレアーゼ産生菌」と呼びます。

こういう菌を繁殖させないために、
猫の体を清潔に保ったりすることも大切ですが
オシッコの話に絞って言うと、
尿phを弱酸性に保つことがとても大切なんです。

なぜなら、細菌はおしなべてアルカリ環境を好むから。
尿phを弱酸性に保つことで、細菌の繁殖を抑制することができるし、
できてしまったストラバイトもオシッコが酸性なら溶けてしまいます。

細菌の繁殖を抑えて、尿素の分解を防ぎアンモニアが出てこないようにする。
これにはオシッコphを弱酸性に保つことが大切なんです。

2.出てきてしまったアンモニアを中和する。

アンモニアは強いアルカリ性です。
だから尿素が分解されアンモニアが出てくると
オシッコはアルカリ性に傾きやすくなってしまうんです。

上に書いたウレアーゼ産生菌はアルカリ環境が大好き。
自分で尿素を分解してアンモニアを出して、オシッコをアルカリにして
ますます元気モリモリになりどんどん繁殖していきます。

アルカリ性になったオシッコのせいで、膀胱が炎症を起こせば膀胱炎、
出てきたアンモニアとリンとマグネシウムがくっつけばストラバイト。

このイヤな流れを止めるには、オシッコのアルカリを
酸性物質で中和するのが大切です。

あれ?…1も2も答えは一緒ですね。
すみません、その通りです(冷汗
強アルカリのアンモニア対策にはオシッコの酸性化で対抗する
これが言いたくて長々と書いてしまいました。

猫のストラバイトや膀胱炎、アンモニア対策には含流アミノ酸!

さて、オシッコを酸性化するにはどうしたらいいのでしょうか?
結論から言うと、「含流アミノ酸を十分に摂取する!」です。

やっとタイトルにある「含流アミノ酸」が出てきました。
あまり聞きなれない言葉ですが、これはいったい何なのか??

含流アミノ酸は、アミノ酸の一種です。
キャットフードの原材料に「メチオニン」とあるのを
見たことがありませんか?あれが含流アミノ酸のひとつなんですよ。

この含流アミノ酸には尿phを酸性に傾けてくれる効果があります!
ものすごく簡単に言うと、酸性物質をオシッコの中に入れてくれるんです。
多くのキャットフードは、含流アミノ酸の一種であるメチオニンを配合することで
オシッコを酸性に傾けるようにしているんです。

ここで詳しく説明しちゃうと長くなるので

猫にとっての含硫アミノ酸~ストラバイト予防や対策に不可欠!
猫のストラバイト、予防や治療には「含流アミノ酸」が不可欠です!この記事では含流アミノ酸がストラバイトの予防や治療に役立つ仕組みをわかりやすく説明しています。

を読んでくださるとうれしいです。
含流アミノ酸の働きについてわかりやすく説明しています。

含流アミノ酸は肉や魚に多く含まれています。
鶏肉、まぐろ、かつお、鮭…キャットフードによく使われる食材ですが
どれも含流アミノ酸が豊富に含まれています。
本来肉食である猫にとって不足するはずのないものなんです。

でも粗悪なフードは肉や魚をあまり使わず穀物が多い。
だから含流アミノ酸が不足しやすいのかな?
とぼんやり考えていました。

しかし決して粗悪とは言えないフードを与えていても
ストラバイトや膀胱炎になる猫は多い。

もちろんそこには水分不足や環境など
他の要素もからんでいる可能性もあるから
一概には言えないのだけれど、
何かもっと大きな原因があるんじゃないかな?
とも思っていたんです。

ガッツリ目減り?!やっぱり含流アミノ酸の不足が原因だと思った理由

いろいろ調べていてふと目に留まったのが
「硫化黒変」という言葉でした。

これってゆで卵の黄身の表面がうす黒くなるのが有名な現象なのですが、
要は含流アミノ酸が熱で分解されて起きる現象なんです。

含流アミノ酸に含まれる硫黄が、加熱されることで硫化水素になって
卵黄に含まれる鉄分と結びついて・・・ということなんですが、、ががが。

えーっ!含流アミノ酸は加熱すると分解されちゃうの?
ということは、加熱必須のキャットフードの含流アミノ酸は…???

加熱でいきなり全部分解!というわけではなさそうです。
例えばかつお節は製造過程で加熱されていますが、
含流アミノ酸の含有量はかなり高いですしね。

加熱温度と時間に比例して減少量が増えていくんじゃないかと思うのですが
気になるのはキャットフードがどのくらい加熱されているか、ってことです。
これをドライキャットフードで考えてみたいと思います。

ミールはヤバい?ドライキャットフードの含流アミノ酸がどれくらい目減りしているか考えてみた

調べた限りでは、ドライキャットフードの製造に関して
細かく説明しているフードメーカーはありませんでした。

だから正確なことはわからない、憶測になってしまうのですが、
ここでちょっと興味深いデータや文献を見つけることができたのです。

ひとつはナウフレッシュというキャットフードの含流アミノ酸の含有率。
このドライキャットフードは低温調理が売り物のひとつで
約90℃で長時間調理をしているようです。

ナウフレッシュグレインフリーアダルトを例に挙げると

  • 約90℃の低温長時間調理
  • たんぱく質31%
  • 肉類はすべて生肉、ミール不使用

と言った特徴があり、
これで含流アミノ酸の含有率は1.3%です。

ちなみにaafco(米国飼料検査官協会)の栄養基準によると
含流アミノ酸の下限摂取量は1.1%となっています。

うーむ、低温調理でも最低ラインをちょっと上回るくらいですか…
評価すべきなのかガッカリなのか、微妙なところですね(汗

もうひとつはさらに興味深い、というか、かなり重要な情報でした。

「畜産の研究」という専門誌から見つけた文献なのですが、

かつてドライペットフードの主要なたんぱく質原料の
「肉粉・肉骨粉」は、表の通り硫黄(S)を含むアミノ酸
(含流アミノ酸)が極めて少ないです。

ここで言う肉粉、肉骨粉というのはいわゆるミールのことだと思われます。
よくキャットフードの原材料にチキンミールとかありますよね?
それのことです。

えぇぇぇーっ、ミールって含流アミノ酸が「極めて」少ないのかっ!ショック。

引用中にある「表」から抜粋すると

  • チキンミール 1.67%
  • グルテンミール 3.00%
  • かつお節 3.33%

となっています。うーん、ミールはグルテンやかつお節の半分くらいですか。

推測するに、ミールは精肉以外の部分も多用されている可能性が高いのに加え、
高温処理されているからここまで含流アミノ酸が少ないんだと思います。
もともと水分たっぷりの肉や内臓を粉になるまで変化させるわけですから
相当の高温状態を長く続けての処理だと思うんですよね。

ただでさえ、含流アミノ酸の含有率が少ないミールを使用し
さらに加熱するドライキャットフード、
これは含流アミノ酸がかなーり目減りするのではないでしょうか?

aafco基準は守ってます!でもホントにそれで足りてますか?

なんかね、この「畜産の研究」には
ミールに含まれる含流アミノ酸が少ないことに関して
「みんな知ってるよね?常識でしょ?」くらいの感じで
さらっと書いてあったんですよ。

でもフードメーカーさんはこんなこと一言も言ってない。
相変わらずマグネシウムのせいにして知らんぷりです。
もしかしてフードメーカーさんも知らないんでしょうか?
それはさすがにないと思いますが…

多くのフードメーカーがaafco基準を参考にしているわけですから、
そこそこ良質なドライキャットフードなら
aafco基準の含流アミノ酸下限1.1%は守っているとは思います。
肉や魚で足りないぶんはグルテンや合成メチオニン(DLメチオニン)で
補てんしているのでしょう。

でも比較的良質でミール不使用、低温調理のナウフレッシュでさえ、
基準をちょっぴり上回る程度の含有量です。
(DLメチオニンも使用してますしね)

多くのドライキャットフードはaafco基準ギリギリの量じゃないかなあ?

ギリギリでもクリアしてるんだからいいよね?…ホントにそう思いますか?
aafco基準は含流アミノ酸に限らずほとんどの栄養基準は下限値、
命をつなぐのにギリギリの量でしかないんです。
そして猫にだって個体差というものがあるんです。

ギリギリの量では足りない猫が多いんじゃないでしょうか?

まとめ

あくまで管理人もみじの立てた仮説ですが、
ドライキャットフードだけ食べている猫は
含流アミノ酸の不足からストラバイトや膀胱炎になりやすいのだと思います。

じゃあどうしたらいいの?

ハイ、解決策も考えてみました!

猫のストラバイトや膀胱炎、含硫アミノ酸を積極的に摂取する方法とは?
猫のストラバイトや膀胱炎の治療や予防には、アミノ酸の一種である含流アミノ酸を十分に摂取することがとても大切です。この記事では猫の食事に含流アミノ酸を積極的に取り入れる方法を詳しく紹介しています。

では不足しやすい含流アミノ酸を
積極的に摂取する方法についてご紹介しますよ!

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