多くの猫と暮らす人たちの間で
話題になっているキャットフード、AIM30。
猫の慢性腎不全を治せる?
進行を止められる?
腎不全にならないようにできる?
さまざまな期待と誤解が飛び交うAIM30キャットフードですが、管理人もみじはこのフードにとてもがっかりしています。
この記事では、AIM30キャットフードの評価をフードの中身をじっくり精査して行っています。
目次
AIM30ってどんなキャットフード?
ネットで拾い読みしていると、いろいろ情報が錯そうしています。
療法食だと思っている人もいそうだし、
AIM製剤が配合されている、と勘違いしている人もいそうです。
誤解を防ぐために、改めてAIM30についてまとめました。
療法食ではありません、普通の総合栄養食ドライフードです
AIM30は腎不全の療法食ではありません。
普通の総合栄養食ドライフード。
このことは発売元のマルカンさんが立ち上げたAIM30のブランドサイトではっきり明言しています。
AIM製剤が配合されているわけではありません
猫が腎不全になりやすい原因(?)を突き止めた宮崎徹氏が目指しているのは、AIM製剤。
ヒトにも犬にも、そして猫にも
AIMタンパクと呼ばれるものが体内にあり、普通ならこのAIMタンパクが体内にできた死んだ細胞などのゴミ的なものの在りかを知らせ掃除ができるようになるのですが、猫のAIMタンパクは体内でほとんど移動しないので在りかを知らせることができず、結果として掃除もできない。
だから猫は腎不全になりやすい。
ならば、ちゃんと動いて仕事をしてくれるAIMタンパクを体内に入れよう、というのがAIM製剤なんですが、AIM30に配合されるのはAIM製剤ではなく、AIMタンパクを活性化させる効果が見込めるアミノ酸、ということです。
果物のドリアンから抽出されたアミノ酸でA-30という名前。
これもブランドサイトではっきり明言されています。
薬ではなく、サプリメントです。
効果が保証されているわけではありません。
フードの名前にAIM、とか入れるから誤解する人も出てきちゃいますよね。
AIM30の原材料、原材料や成分は?
この記事ではAIM30キャットフードを評価しています。
というわけで、さっそく原材料と成分分析値を見てみましょう。
以下は室内成猫用のデータです。
原材料:
トウモロコシ、グルテンミール、チキン、ビーフ、ポーク、動物性油脂、小麦粉、フィッシュエキス、ローストアマニ、食物繊維、植物性油脂、酵母、チキンレバーパウダー、おからパウダー、まぐろ・かつお削りぶしパウダー、乳酸菌、アガリクス、クランベリー、セサミン、ミネラル類(P、Na、Cl、Ca、K、Zn、Fe、Cu、Co、Mn、I)、アミノ酸類(シスチン、メチオニン、タウリン)、ビタミン類(A、B1、B2、B6、B12、C、D3、E、K3、コリン、ニコチン酸、パントテン酸、ビオチン、葉酸)、調味料、酸化防止剤(ミックストコフェロール、ハーブ抽出物)
成分分析値:
タンパク質 31%
脂肪 10.5%
粗繊維 4%
灰分 9%
水分 10%
AIM30キャットフード、がっかりした理由とは?
期待している飼い主さんが多いであろう、AIM30。
管理人もみじもそのひとりでしたが、
正直とてもがっかりしています。
なぜがっかりなのか?
その理由をひとつづつ説明させていただきますね。
原材料の配合比率が悪すぎる
原材料を見ると、「トウモロコシ」が先頭にありますよね。
これだけでまずはがっかり。
管理人もみじは、猫には低糖質の食事がふさわしいと考えているので、炭水化物食品である穀類が先頭にくるようなキャットフードはNGなんです。
腎不全の療法食、というのならまだわかる。
療法食で有名なロイヤルカナンやヒルズも、タンパク質を減らすために炭水化物を増やしているのでトウモロコシや米を多く配合しています。
でもこれは普通食、健康な猫に与えるフードですからね。
成分分析値で見ても、ざっくり計算すると、糖質は約39%。
糖質がかなり多いフードといえます。
糖質が多い食事は、猫にとって
肥満や糖尿病、すい炎のリスクが高まると思っています。
腎臓によいからと言って、これらのリスクをおざなりにすることはできません。
なぜ、糖質の多いキャットフードはおすすめできないの?
糖質の量ってどうやったらわかるの?
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タンパク質のアミノ酸スコアが低い
がっかりポイントその2。
原材料の2番めに「グルテンミール」ってありますよね。
これにすごくがっかりしています。
なんのグルテンなのかすらわからないですが、総じてグルテン類はアミノ酸スコアが低いです。
アミノ酸スコアが低い食事は
腎臓に負担がかかるんですよね。
タンパク質を食べると体内でアミノ酸に分解され、筋肉や内臓組織、血液、皮膚や被毛など体のあらゆる組織を作る材料になります。
でも、食べたタンパク質のアミノ酸スコアが低いと効率よく体を作ることができないんです。
使われずに無駄になるアミノ酸も
もれなく代謝されてBUNになってしまう。
無駄になったアミノ酸は有効に使われることなく代謝されてしまいます。
ありていに言えばゴミですね、ゴミ。
アミノ酸スコアの低いタンパク質は体内にゴミを増やしてしまうんです。
アミノ酸スコアの低いタンパク質はなぜダメなのか?
腎臓に無駄な負担を与えてしまう仕組みとは?
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猫にとって、タンパク質のアミノ酸スコアが大切なことを
わかりやすく説明しています。
グルテン類を多用してアミノ酸スコアの低いゴミを出す食事を続ける。
一方で、AIMタンパクの活性化をうながし、
体の中のゴミ的なものの掃除をうながす。
管理人もみじのイメージだと、これって
「ゴミを増やしながらゴミを掃除する」って感じなんですよね。
AIM30に配合されるA-30は、薬ではなくサプリメント。
なので効果が保証されているわけではないし
A-30がAIMタンパクの活性化にどれくらい役に立つのかもはっきりと明示できません。
薬事法でそう決められています。
その状態で
「ゴミを増やしながらゴミを掃除する」って…
管理人もみじ的にはとてもがっかりです。
食品添加物が使用されている
AIM30には食品添加物が使用されています。
これもけっこう大きながっかりポイントでした。
使用されているのは
フィッシュエキスと調味料。
(酸化防止剤はドライフードには必須なので仕方ない)
フィッシュエキスは添加物ではなく加工食品という扱いですが、添加物の使用も可能な加工食品なので食品添加物が使用されている可能性があるんですが、食品添加物にはけっこうな割合でリン酸塩をはじめとするリン化合物が使用されているんです。
食品添加物に含まれるリンはすべて無機リンと呼ばれる種類のリンです。
リンには有機リンと無機リンの2種類があり、
有機リンは食べ物に含まれる自然なリンで
無機リンは食品添加物に含まれる化学物質。
有機リンと無機リン、なにが違うのかというと、リンの吸収率に違いがあるんです。
有機リンの体への吸収率は20%~60%くらいなのに対し、無機リンはほぼ100%体内へ吸収されてしまいます。
ドライキャットフードのリン値は1%くらいのものが多いですが、同じ1%でもそこに無機リンがあるかどうかで体に入ってくる量に違いが出てくるよ、無機リンが含まれているとその分だけリンをたくさん吸収しちゃうよ、ってことです。
腎臓ケアを謳ったフードでこれはないよ!って思うんですよね。
食品添加物が猫の体のどんな影響を与えてしまうのか、興味をもってくれたあなたにおすすめの記事です。
腎臓への負担がとても気になります。

食物アレルギーのせいで食べられない猫も多そう
原材料を見る限り、食物アレルギーのせいで
AIM30を食べられない猫さんもけっこう多いと思います。
この点もがっかりかな。
トウモロコシ、小麦。
このあたりはアレルギー反応が起きてしまう猫さんが多そうですし、アマニも意外とアレルギーの猫さんが多いです。
チキン、ビーフ、ポークと複数の肉を使用しているのでどれかひとつでも引っかかったらアウトです。
フィッシュエキスを使用しているので
魚類にアレルギーのある猫さんもダメかもしれません。
なんでグレインフリーにしなかったの?
なんで肉は一種類にして、チキンとかサーモンとか肉の種類別にラインナップを作らなかったんだろう?
どんな食材を使用してもどこかでアレルギーに引っかかってしまう猫さんは出てきてしまいますが、グレインフリーにして肉の種類別のラインナップにするだけでも食べられない猫さんはかなり減ると思うんですよね。
猫飼いの私たちはこのフードにすごく大きな期待を寄せていると思うんです。
それなのに食べられない猫がたくさんいる…
とても残念なことだと思います。

シニア猫、腎不全の猫にぴったりのフードのご紹介です!

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そんな猫さんのために代わりになるフードをご紹介しています。
腎臓ケアに気を配りたいシニア猫さんにもぴったりですよ。
AIM30,愛猫に与える?ちょっと立ち止まって考えてみる
愛猫の健康に気を配る飼い主さんたちが
大きな期待を寄せているAIM30。
言いたい放題ぶった切ってしまって申し訳ありません。
でも、これがAIM30に対する
管理人もみじの率直な感想です。
試してみる価値はあるような気はしますが
管理人もみじは当面我が家の猫たちには与えないつもりです。
その効果が大きなものだとわかればもちろん与えますが、今の時点ではためらう気持ちのほうが大きい。
というか、まったく与える気にならない残念なフード、というのが正直な感想です。
やっぱり猫の腎不全のケアには基本、つまり食事が大切だな、と
あらためて実感しています。

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