猫の腎不全、ワンランク上の食事選びの方法をご紹介!意外と知られていない3つのポイントとは?

猫の食事、栄養

腎不全の猫の飼い主さんなら、食事療法の大切さはみなさん知ってると思います。

「タンパク質の制限」
「リンの制限」
「ナトリウムの制限」

これらは腎不全の猫の食事療法の基本、
腎不全の療法食なら、もはや当たり前のことですよね。
この記事では、さらにもう一歩踏み込んだ食事選びの考え方をご紹介します。

減らすことを考える前に、カロリーを満たすべき!

猫の腎不全の食事療法では、タンパク質の制限など
まず減らすことが勧められることが多いですが、
カロリーだけはきっちり満たしてあげないといけません。

なぜなら、カロリーが不足すると、不足分を満たすために
猫の体はタンパク質を使ってしまうからです。

そもそもタンパク質を制限しましょう、と言われるのは
タンパク質を代謝した時にできるアンモニアを減らすため。

アンモニアは肝臓を経由して腎臓でオシッコと一緒に排泄されます。
腎臓の大切な仕事のひとつなのでやらなきゃならないわけですが、
腎臓への負担を少しでも減らすため、
アンモニアをできるだけ作らないようにしましょう、ということです。

でも、カロリー不足のせいで、タンパク質がエネルギーとして使われてしまったら?
「使う」というのは代謝するということ、つまりアンモニアを作ってしまうんです。

これでは、タンパク質を制限しても意味がありません。むしろ逆効果になることも。

だからしっかり食べてカロリーを十分にとることがとても大切なんです。

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エネルギー源になる栄養素のバランスも重要!

猫の体のエネルギーになる栄養素は、タンパク質、脂肪、糖質(炭水化物)の3つだけ。

上で書いたように、腎不全になったらカロリーをしっかりとって
エネルギーを不足させないようにすることがとても大切ですが、
タンパク質は制限しなければならない。

残りの2つ、脂肪と糖質から減った分のタンパク質を補うだけの量を取る必要がありますが、
脂肪と糖質、どちらが猫の体にとってよいのでしょうか?

脂肪は肥満になりそう…糖質かな?

猫せんせい
猫せんせい

いやいや、猫には糖質より脂肪のほうが向いているんですよ。

猫せんせいのおっしゃる通り、猫には糖質より脂肪です!

脂肪のエネルギー量は糖質の約2倍、同じ量を食べたとき、
脂肪だと糖質の倍近いカロリーを摂取できます。

ほら、脂肪のほうが太りやすいですよ!

いえいえ、逆に考えてみてください。
少ない量で、しっかりカロリーを取れるんですよ?
腎不全の猫にとってはとてもありがたい性質ではないでしょうか?

特に、食欲の衰えてしまった猫には、少ない量で多くのカロリーが取れる
脂肪のほうがだんぜん良いです。

猫は肉食獣、捉えた獲物だけを食べる生活を長年してきたせいで、
エネルギー源として利用してきたのは、ほぼすべてタンパク質か脂肪です。
だから、タンパク質や脂肪をエネルギーにするのは大得意。

逆に口にする習慣のほとんどなかった糖質の消化吸収、代謝はかなり苦手です。
できないわけではありませんが、糖質の消化酵素、アミラーゼをあまりたくさん作れないので
糖質をたくさん取るのは消化酵素を作る臓器、すい臓に負担が大きいです。

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なので、猫にとっては糖質より、だんぜん脂肪です!
タンパク質を減らさざるを得ない以上、糖質を極端に減らすことは難しいですが、
腎不全の猫の食事を選ぶときは、できるだけ脂肪が多いものをおススメしますよ。

これが一番重要?タンパク質の品質にもこだわろう!

タンパク質の品質とはどういうことなのでしょうか?
それは「アミノ酸スコア」で示されます。

アミノ酸スコアとは?

アミノ酸スコアとは、食品に含まれる必須アミノ酸の理想的なバランスを100点、として、
点数化したものです。

必須アミノ酸、というのは、体内で作ることができず、食べ物から得ることしかできない
アミノ酸のことで、ヒトは9種類、猫は10種類あります。
この必須アミノ酸がどれくらいバランスよくあるか、ということを
数値で示したのがアミノ酸スコアなんです。

例えば、トウモロコシにはリジンというアミノ酸が少ないため、
トウモロコシから得られるアミノ酸で筋肉や臓器などを構成するタンパク質を作ろうとすると
他のアミノ酸がたくさん余ってしまいます。

なので、トウモロコシのアミノ酸スコアは31、というかなり低い数字になってしまうんです。

そして、アミノ酸スコアが高いのは肉や魚、ほぼすべてアミノ酸スコアは100点満点です。
肉食獣の猫は、食性にあった食事をすることで、
自然とアミノ酸スコアの高い食事ができてるんですね。

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アミノ酸スコアと腎不全の猫の食事との関係は?

トウモロコシのアミノ酸スコアは31、リジンというアミノ酸が少ないため、
他のアミノ酸がたくさん余ってしまいます。

その余ったアミノ酸はどうなるのでしょうか?

体に貯めておいてあとで使うとか?

猫せんせい
猫せんせい

うむ、残念なことにタンパク質は体に貯めておけないんですよ。

猫せんせいに先に言われてしまいましたがその通り!
糖質や脂肪と違って、タンパク質は体に貯めておけません。
だから余ったアミノ酸は何の役にも立たずに代謝されてしまうだけなんです。

上のほうで書きましたが、タンパク質、アミノ酸を代謝すればアンモニアが作られます。
つまり、アミノ酸スコアの低いタンパク質ばかりを多く食べていると
体内で無駄にアンモニアを増やしてしまうことになるんです。

アンモニアは肝臓を経て、腎臓で処理される物質。
アンモニアが増えれば腎臓の負担も増えます。
筋肉や内臓組織など、体を作るために必要なタンパク質、アミノ酸は
たとえ腎不全の猫でもしっかりとらなければなりませんが、
何の役にも立たずに腎臓の仕事だけを増やしてしまうアミノ酸は
極力減らしたくありませんか?

だから腎不全の猫には、特にアミノ酸スコアの高いタンパク質を取ることが大切なんです。

このことはヒトの腎不全の食事療法でも常に言われていて

低タンパク質制限を実践する上で重要な事は、
1)十分なエネルギーの確保と、2)食事のアミノ酸スコアを100にする事である。

(日本腎臓学会承認サイト「Jinzou.net」より引用)

このように、アミノ酸スコアの高い食事をすることが求められています。

ヒトも猫も、腎不全の食事療法の基本は同じですし、
タンパク質を代謝する経路も同じです。
だから猫もヒトと同じように、タンパク質の品質、
すなわちアミノ酸スコアはとても重要な要素になるでしょう。

上で書いたように、アミノ酸スコアが高いのは肉や魚です。
穀物などの植物性タンパク質より、動物性タンパク質が多い食事を選んであげてくださいね。

まとめ

腎不全の療法食では、タンパク質やリン、ナトリウムの制限はもはや当たり前、
そこだけを気にするならどれを選んでも大差ないです。

でもそれ以外にも、あまり知られていない大切なポイントを知ることで
腎不全の猫に最適な食事選びができますよ。

愛猫が一日でも長く、穏やかに暮らせるよう、食事選びはしっかり行いたいですね。

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