「腎不全になったらタンパク質を減らしましょう」
猫の飼い主さんなら知っている人も多いですよね。
ヒトも猫も腎不全、腎臓病になったら食事のタンパク質制限を勧められます。
しかし、タンパク質制限よりもっと大切なことが、
特に猫の腎不全の場合、切実に大切なことがあるんです。
目次
腎不全の猫にタンパク質制限をする理由とは?
腎不全になると腎臓のろ過機能が低下し、本当ならろ過してオシッコと一緒に
排泄しなければならない有害物質が体内にとどまるようになってしまいます。
有害物質の代表格のひとつがアンモニア。
このアンモニアはタンパク質を代謝した時にできる物質なので、
腎不全になったら、アンモニアを増やさないようにして
腎臓への負担を減らすために、タンパク質を制限するのがよい、とされているのです。
腎不全の猫の食事、大切なのはタンパク質制限よりカロリーだった!
食事療法のポイントは、1)カロリーを十分とる、2)蛋白質の制限、3)塩分制限、4)カリウム、リンの制限、5)適切な水分量をとるなどです。
これは大阪府立急性期・総合医療センター 腎臓・高血圧内科のサイトから
引用したものですが、猫もほぼヒトと同じような食事療法でケアをします。
2)蛋白質の制限、って確かにありますよね。
でももうひとつ、見逃してはいけない大切なポイントがあるんです。
それは「1)カロリーを十分とる」ということ。
猫の場合、タンパク質やリン、ナトリウムの制限ばかりが強調され、
十分なカロリー摂取の大切さがあまり伝わっていないように思えます。
なぜ十分なカロリー摂取が必要なのか?
腎不全のとき、タンパク質を制限するのは、アンモニアの生成をできるだけ減らすため。
このことは上で書きましたが、タンパク質を制限した食事をしている時、
十分な食事、カロリーを取らず、エネルギーになる栄養素が不足してしまったら、
ヒトや猫の体はどうするのでしょうか?
答えは「タンパク質を使ってエネルギーを作り出す」です。
タンパク質を使ってエネルギーを作り出す、というのは代謝するということ、
つまりアンモニアが作られてしまうんです。
![](https://i1.wp.com/xn--f9jyah1fr406b.xyz/wp-content/uploads/2020/10/1311865-2.jpg?w=1272&ssl=1)
それじゃあ、タンパク質を制限しても意味ないね
その通りなんです!せっかくタンパク質を制限して
アンモニアができるのを減らそうとしても、
しっかり食事をしてカロリーが不足しないようにしなければ意味がないんですよ。
さらに怖い、エネルギー不足がもたらす猫の体力低下、衰弱
せっかく制限したタンパク質なのに、エネルギー不足になると
結局使われて意味がなくなる。
これだけでも困りますが、さらに困った事態に陥ることも。
摂取カロリーが不足してしパク質をエネルギーに変換する時、
ヒトも猫も多くの場合、タンパク質源として筋肉を使ってしまうんです。
わかりやすい例が糖質制限ダイエットの失敗でしょうか。
糖質を制限すればエネルギー源が不足する、
だからその分タンパク質や脂肪をしっかり食べないといけないんですが、
特に女性は肉や油っぽいものをどっさり食べるのをためらいます。
![](https://i1.wp.com/xn--f9jyah1fr406b.xyz/wp-content/uploads/2020/10/1311865-2.jpg?w=1272&ssl=1)
ダイエットだもんね、どっさり食べるの抵抗あるよね
その結果、筋肉がエネルギー源として使われやすくなり、筋肉量が減ってしまう。
見た目はスリムになるけど、筋肉が減ったことで基礎代謝が下がって
太りやすい体質になってしまい、結局はリバウンドしてしまいます。
ヒトも猫もそうですが、筋肉が減れば体力が落ちます。
ただでさえ、食欲が落ちやすい腎不全の猫、
筋肉が減り、体力が落ち、元気がなくなりさらに食欲が減退する。
食べないことでカロリー不足になり、エネルギー源に筋肉を使われ…
という悪循環を起こしやすくもなるんです。
猫の場合、さらに筋肉をエネルギーにしてしまいがちな事情がある!
腎不全では、しっかりカロリーを取ってエネルギーを不足させないことが大切。
エネルギーが不足すると、体はタンパク質を代謝してエネルギーにしてしまいます。
腎不全でタンパク質を制限するのは、代謝するときにできてしまうアンモニアを
できるだけ減らしたいからですが、摂取カロリーが不足すれば体はタンパク質を代謝して
エネルギーにしてしまい、そこでアンモニアができてしまう。
これではタンパク質を制限しても意味がないですよね、というところまで来ましたが、
猫にはヒトよりさらにタンパク質をエネルギーに変えてしまう特性があるんです。
長らく肉食獣として生きてきた猫、
捉えた獲物から得られる栄養素の多くがタンパク質です。
そういう食生活の影響で、タンパク質をエネルギーに変えるのが大得意。
たとえ糖質や脂肪がたっぷりあってエネルギー源に不足がなくても
常に一定量のタンパク質をエネルギーに変えるために代謝してしまうんです。
このことは
![](https://i1.wp.com/xn--f9jyah1fr406b.xyz/wp-content/uploads/2020/11/glyconeogenesis_cat-160x90.jpg?ssl=1)
の記事で分かりやすく説明しています。
合わせて読んでもらえば、たとえ腎不全の猫でもタンパク質はある程度必要なこと、
そのためにはしっかり食べてもらうことが大切なことがよくわかります。
腎不全だから、とタンパク質を制限しても、
一定量は必ずエネルギーに変えてしまう猫の体。
その上にカロリー不足でさらにタンパク質の代謝を増やしてしまわないよう、
カロリーの不足は絶対に避けたいところです。
食欲はあるけど、療法食はキライ、食べてくれない。
そんな猫さんのための記事も書いてます。
そして、現在破格のキャンペーンで
1.5kg1100円+送料、というフードがあります。
療法食の代わりになり得る良質なフード。
管理人もみじも1か月試してみて、とても気に入ったので
シニア猫たちのローテーションの一角を担ってもらっています。
試してみての感想含め、フードの中身を詳しくご紹介してます。
個人的にとてもおすすめ。
どうぞ、下の記事を参考にしてくださいね!
![](https://xn--f9jyah1fr406b.xyz/wp-content/uploads/cocoon-resources/blog-card-cache/8c2644f85d48650e129b902f5271343a.jpg)
ファインペッツという、日本の会社が製造しているキャットフードです。
添加物、副産物、中国産食材、すべて不使用の高品質フード。
かなりの高カロリーで、タンパク質とリンも控えめなので
腎不全の猫、シニア期の猫にぴったりのキャットフードです。
気になったら、下のイラストをクリック!公式サイトに飛びます。
食べないことが一番よくない猫の腎不全
タンパク質を制限してもカロリーが足りなければ、
エネルギー源としてタンパク質を使ってしまう。
さらにヒトと違い、猫は常に一定量のタンパク質をエネルギーに変えてしまう。
だからしっかり食べてもらって、
少しでもタンパク質をエネルギーに変える量を減らす、
これがとても大切になってきます。
「食欲がなくて、体重が減ってきた…」
これはほぼ確実に、体の中でどんどん筋肉が減っていってます。
つまり体内でアンモニアが作られ、腎臓に負担をかけているということ。
腎不全の愛猫の飼い主さん、体重チェックをしっかりやって
食事をしっかりとるよう心かけてあげてくださいね。
コメント