猫が腎不全の療法食を食べない時はどうしたらいい?正しい対処法をご紹介!

猫が腎不全の療法食を食べない時は? 猫の腎不全

猫が腎不全になってしまうと、食欲が落ちてしまい、
飼い主さんを心配させることも多いです。

特に腎不全の療法食は、猫にとってあまりおいしくないようで

全然食べてくれない…

となってしまうこともしばしば。

猫が腎不全の療法食をまったく食べようとしない、
食べるけど目安量には足りない、
こんな時はどうすればいいのでしょうか?

療法食にこだわり過ぎないで!まずは食べてもらうことを優先に

獣医さんに療法食以外は食べさせちゃダメ、って言われました

そうですね、そういう獣医さんも多いと思います。

でもそれはあくまで、必要な量をきちんと食べていることが前提です。

まったく食べない、少ししか食べない、
まあまあ食べるけど、体重ごとの目安量より少ない。

そんな時は、療法食にこだわらず
食べてくれるものを食べてもらうことがとても大切です。

腎不全の猫、食事量が少ないとどうなる?

療法食はあまり食べないけど、ほかの食事は与えちゃダメって言われたから…

そう考えて、少ない食事量で充分なカロリー摂取ができない状態が続くと
猫の体はどうなってしまうのでしょうか?

カロリーが不足して筋肉をエネルギーに変えてしまう

腎不全の療法食はタンパク質を少なくしてありますよね。

それはタンパク質を代謝する際に体の中で作られる
アンモニアを減らしたいからです。

でも食事量が少なくてカロリーが不足した場合、
猫の体は体内にあるタンパク質を使って
エネルギーを作ってしまいます。

この場合の【体内にあるタンパク質】というのは
主に筋肉です。

タンパク質を使う、ということは代謝すること、
代謝すればアンモニアが作られてしまう。

せっかく療法食でタンパク質を制限しても
カロリーが不足すれば、体にあるタンパク質を代謝して
アンモニアを作ってしまう。

これではせっかくのタンパク質制限が無駄になってしまいます。

療法食を食べてくれない時におすすめの食事は?

猫が腎不全になってしまったら、十分なカロリー摂取がとても大切。

では、療法食を食べてくれない時、食べる量が足りない時、
代わりにどんな食事を与えたらいいのでしょうか?

流動食を活用する

食欲がない、衰弱している時によく利用されるのが流動食。

シリンジで強制給餌をしたり、
鼻から食道へチューブを通してそこから与えたりします。

ありがたいことに、流動食には腎不全の猫専用のものがあり、
栄養バランス、カロリー、消化の良さなど
腎不全の猫にぴったりなんです。

素早くエネルギーになる効果があるもの、
食材を消化しやすい形にしてあるものもあり
不足するカロリーを素早く、体に負担少なく
摂取できる優れものです。

経腸栄養食は、腎不全末期になり
相当衰弱してしまってから初めて使う飼い主さんが多いのですが、
むしろ元気なうちから早め早めに使い始め、
栄養補助剤として、不足しやすいカロリーと栄養を
きちんと取ることを強くおすすめしたいです。

体重、そして筋肉をカロリー不足で減少させないことで
腎不全の進行を抑える効果が見込めますよ。

すぐに使える液体タイプ、【ロイヤルカナン腎臓サポートリキッド】

 

チューブやシリンジを使っての強制給餌に
ちょうどよいとろみがついた液体タイプ。

すぐに使える手軽さが魅力。

蓋をしたまま直接シリンジの先端を
差し込んで中身を吸い込みます。
蓋を開けてお皿などに入れて
直接舐めてもらう、
フードに混ぜる、なども可能です。

1本で200ml、216カロリー。

賞味期限が短く、
開封後は48時間以内で。

与え方いろいろの粉末タイプ、【チューブダイエット キドナ】

 

とても細かい粉末状。

水やお湯で溶いて与えるので
ひと手間かかりますが、
その分、使い方が色々工夫できます。

ゆるめに作ってシリンジで与える。
かなり硬めにも作れるので
団子に丸めてお口にポイ。
粉のままウェットフードなどに混ぜる。
などさまざまな与え方ができます。

1包20g、99カロリー。

猫用ミルク、ヤギミルクを与える

猫用に作られたミルクやヤギミルクで
栄養とカロリーを補給するのもよい方法です。

特にヤギミルクは、牛乳から作られた猫用ミルクより
消化が良く、栄養も豊富でとてもおすすめ。

猫用に販売されているものはほとんどが粉状、
基本水やお湯に溶いて与えますが
濃いめに作ればかなりのハイカロリー、
食事量が少ない時のありがたいレスキュー食になりますよ。

もちろん、粉のままウェットフードなどに混ぜてもオッケーです。

選ぶときに気をつけたいのは脂肪の量です。
猫用ミルクもヤギミルクも脂肪分を減らした
脱脂タイプのものがありますが、
そちらは選ばないでください。

よりハイカロリーで腎不全の猫に適した栄養バランスなのは
脂肪が多く含まれているものです。

療法食以外の普通の食事を与える

食欲はあるけど、療法食は口に合わなくて
あまり食べてくれない。

そんな時には、普通の食事を与えるのも手段のひとつです。

どんな良質なフードでも、腎不全に対応していない普通食だと
療法食に比べると腎臓への負担は大きくなりますが、
それでも、食べる量が不足するよりは全然マシ!なのです。

フードの種類にもよりますが、
腎臓用療法食と普通のフードの違いは
タンパク質の量、脂肪の量、ナトリウム(塩分)の量、リンの量、
ざっくり言うとこの4つ。

普通のフードだと、療法食より

  • タンパク質が多い
  • 脂肪が少ない
  • ナトリウム、リンが多い

という違いがありますが、
ナトリウムは実はそんなに大きな差がないので
さほど気にしなくてもよいです。

リンはどうしても多くなってしまいます、これは仕方がない。
ほとんどの普通フードは療法食の倍近いリン量です。
でも、なかには比較的リン値が少ないものもあるので
できるだけリン値が少ないものを探してあげてくださいね。

主に見る必要があるのは、タンパク質と脂肪です。
本来、腎不全の時はタンパク質を控えるのですが、
食事量が不足している時は、タンパク質だって
きちんと摂取する必要があります。

でも、タンパク質は制限しなくちゃダメでしょ?

猫せんせい
猫せんせい

うむ、その通りなんですが

一定量のタンパク質は必ず摂らなきゃダメなんですよ。

猫せんせいに先に言われてしまいましたが、その通り。

猫は食べても食べなくても、常に一定量のタンパク質を使って
エネルギーに変えてしまう生き物です。

肉食獣として長らく生きてきたことが
そういう体を作りました。

なので、食べる量が少なかったり、
食べていてもタンパク質が不足してしまうと
すぐに体にあるタンパク質(主に筋肉)を使って
エネルギーに変えてしまいます。

「タンパク質を使う」というのは代謝するということ。
代謝すれば、必ずBUNが生成されてしまいます。

つまり、タンパク質の不足は
BUNの上昇にもつながるし、結果として腎臓に負担がかかるんです。

減らせばいい、ってものではないのが
タンパク質摂取の悩ましいところでもあります。

なので、ことさら高タンパクのものを選ぶ必要はないですが、
ほどほどのタンパク質とできるだけ多い脂肪、
そういうキャットフードを選んであげてください。

似たようなタンパク質、脂肪の量で迷ったら
よりカロリーが高く、リンが少ないものを。

こんな感じで選んでいけばよいと思います。

まずは療法食を与え、できるだけ食べてもらい、
足りない分を普通食で補うようにするとよいですよ。

わが家の猫も、療法食はまったく食べてくれなかったので、
腎不全の療法食に代わるキャットフードを探しました。
下の記事でご紹介してますので、参考にしてくださいね。

まとめ

腎不全の猫が療法食を食べてくれない時は?

  • 流動食、腎不全の猫専用のものもある!
  • 猫用ミルク、ヤギミルク、特にヤギミルクがおすすめ!
  • 普通の食事、食べてくれるならこれもアリ

愛猫が慢性の腎不全になってしまったら、
これまでよりいっそう、食事に気を配る必要が出てきます。

特にカロリーの不足は、腎不全の猫にとって
できる限りさけたいところです。

療法食を食べてくれない時、食べる量が少ない時、
さまざまな工夫で乗り越えていきましょう。

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