猫のストラバイトや膀胱炎、含流アミノ酸を積極的に摂取する方法とは?
では、猫用ミルク、なかでも特にヤギミルクをおススメしています。
なぜヤギミルクなのか?
この記事ではヤギミルクが牛乳からできた猫用ミルクより猫に向いている、
その理由をわかりやすく説明しています。
目次
猫にヤギミルク、猫用ミルクより優れている点とは?
猫用ミルクとヤギミルク、
どちらも液体として飲んでもらえば水分摂取の助けにもなりますし
なにより栄養バランスが良い。
主食として与えられる総合栄養食に近いバランスです。
だったら牛乳からできてる普通の猫用ミルクでもいいよね?
うむ、猫用ミルクにも良いものはたくさんあるんだけど
ヤギミルクには普通の猫用ミルクにはない、
良いところがいくつもあるんですよ。
と、猫せんせいはおっしゃいますが、
ヤギミルクの良いところとはいったいどのようなものなのでしょうか?
アレルゲンが少ない
ミルクに含まれるタンパク質の約80%がカゼインと呼ばれるものです。
これは牛乳もヤギ乳もほぼ同じ。
カゼインは含流アミノ酸が豊富で、
猫の膀胱炎やストラバイトの予防や対策にとても有効です。
しかしここでちょっと困ったことが。
カゼインには大きく分けて3種類あり、
そのうちのひとつにαs1カゼインと呼ばれるものがあるのですが
このαs1カゼイン、牛乳アレルギーの原因になってしまうことがあるのです。
でもヤギミルクは牛乳に比べるとαs1カゼインがかなり少ないんです。
どれくらい差があるかというと
牛乳 約30%
ヤギミルク 約10%
かなりの差ですよね。
同じミルク、同じカゼインの含有量なら
アレルギーリスクが少ないヤギミルクのほうがよいと思いませんか?
タウリンが多い
タウリンはアミノ酸の一種(厳密にはちょっと違うんですが)、
猫にとってはとても大切な栄養素のひとつです。
タウリンは、胆汁酸と結びつくことでコレステロールを減らしたり、
心臓や肝臓の機能を高めたり、視力の維持、
インスリン分泌促進、高血圧の予防、とさまざまな働きをしてくれます。
不足すれば、心臓疾患や視力の低下、肝機能の低下、
高コレステロール状態からの肥満や動脈硬化、など
猫の健康にとって大きな悪影響が。
しかしこのタウリン、ヒトや犬は体内で生成できますが、猫はできません。
ヒトや犬と違い、猫は食物から直接タウリンを摂取しなければならないんです。
よく「ドッグフードは猫に与えてはいけない」と言われる
理由のひとつがこれで、犬は体内でタウリンを生成できるので、
ドッグフードにはタウリンがさほど含まれていないためです。
前置きが長くなりましたが、
ヤギミルクのタウリン含有量は牛乳の、なんと20倍、だそうです。
このことはヤギミルクを販売しているショップさんの
ほとんどが触れているのですが、あまりの数値の差の大きさに
管理人もみじは正直言って「ほんとかな~?」とちょっぴり疑ってました。
なので調べてみたのですが、どうやら本当のようです。
北海道畜産学会報という学会誌にヤギ乳についてのレポートがあったのですが
(現在この学会誌は他の学会誌と統合しているようです)
このレポートによると
牛乳のタウリン 2μmole/100ml
ヤギ乳のタウリン 113μmole/100ml
だそうです、20倍どころか50倍じゃないですか、びっくり。
50倍なのか、20倍なのか…どちらにせよヤギミルクのほうが
タウリン含有量に関してはダントツに優れているようです。
不足すると猫の健康に大きな悪影響があるタウリン、
ヒトや犬と違い、猫は食べ物から直接摂取しなければいけないタウリン。
そんなタウリンがより豊富に含まれているヤギミルク、
猫にとってとてもよい食品だと思いませんか?
中鎖脂肪酸が多い
中鎖脂肪酸は、消化吸収がよく、猫の体に負担が少なく、
ダイエット効果も期待できるんです。
詳しいお話の前に脂肪酸についてちょっとだけ。
脂肪酸は脂質を構成する成分で、脂質の性質を左右するものでもあります。
健康やダイエットの話題が出た時、リノール酸とかDHAとか、
聞いたことはありませんか?これも脂肪酸の一種です。
脂肪酸は、炭素、水素、酸素、この3つでできていますが
この中の炭素の数で、短鎖、中鎖、長鎖の3つに仲間分けされています。
炭素が鎖みたいにつながっているのでそう呼ばれていて
炭素が少ないと短鎖、多いと長鎖、その中間が中鎖、というわけです。
たとえば、上に書いたリノール酸とかDHAは炭素が多いので、長鎖脂肪酸です。
ヤギミルクには、中鎖脂肪酸が牛乳の約2倍含まれているのです。
これが猫にとってとてもいいんですよね。
中鎖脂肪酸には
- 消化吸収が他の脂肪酸より約4倍速い
- 素早くエネルギーになり体脂肪になりにくい
という特徴があります。
消化吸収が速いということは、猫の体への負担が少なくなるし
すぐにエネルギーになれば、脂肪として蓄積されにくいので
肥満防止にも役立つ、という優れものなんですね。
中鎖脂肪酸は、ココナッツオイルやヤシ油などに多く含まれますが
猫が食べるような肉や魚にはほとんど含まれていません。
ヤギミルクは猫が中鎖脂肪酸を摂取できる、とても貴重な食べ物なのです。
ヤギミルクのよいところとは?
- 食物アレルギーが普通の猫用ミルクより起こりにくい
- 猫にとって大切な栄養素、タウリンが豊富
- 消化に負担が少なくダイエット効果もある、中鎖脂肪酸が豊富
猫にヤギミルク、こんな猫に特におススメ
ヤギミルクはどんな猫にもおススメの優秀なミルクですが
以下のような猫には特におススメです!
子猫にヤギミルク
子猫の時期は特に良質な栄養がたくさん必要。
ヤギミルクは高タンパク、高脂肪で消化吸収もよく
子猫の栄養補給にぴったりです。
食の細い猫にヤギミルク
歳をとって食事量が減ってきてちょっと心配、
まだ若いけどとにかく食が細くて少ししか食べてくれない、
そんな猫の栄養補給にヤギミルクは特におススメです。
腎不全の猫にヤギミルク
猫の慢性腎不全では、体内のタンパク質をエネルギーに変えてしまわないよう
しっかり食べてカロリー摂取することがとても大切です。
猫は肉食獣であるがゆえに、
タンパク質をエネルギーに変えるのが得意。
カロリーが足りないと、すぐに体内のタンパク質を
エネルギーに使ってしまいます。
これでは、せっかく腎不全だから、と
タンパク質を制限している食事を与えても意味がありません。
【猫の腎不全、カロリー不足がよくないことが深くわかる記事】
でも猫は腎不全になると食欲が落ちてしまう子が多いですよね。
そんな時、素早く消化吸収され、すぐにエネルギーになってくれる
中鎖脂肪酸が豊富に含まれたヤギミルクがおススメです。
腎不全の猫にとって、とても優秀なエネルギー源になりますよ。
まとめ~猫にはやっぱりヤギミルクがおススメ!
ヤギミルクは、猫の膀胱炎やストラバイトの予防や治療の助けになり、
タウリンたっぷりで栄養価も高く、
中鎖脂肪酸のおかげで猫の体に負担の少ないエネルギー源にもなってくれる、
猫の体によく合う優秀なものなんです。
愛猫の健康と長生きのために、ヤギミルクを試してみませんか?
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