愛猫に安全なキャットフードを!オーガニックを選ぶ理由とは?

オーガニックキャットフード 猫の食事、栄養

キャットフードの世界でも、原材料の肉や穀物、野菜に
オーガニック食材を使用したものが増えています。

ヒトの世界でも、安全な食事のために
オーガニック食材を利用する人が増えてますよね。

でも、猫のエサにそこまでこだわる必要はないんじゃない?

ハイ、管理人もみじも何年か前まではそう思ってました。
でも、今ではキャットフードの原材料である肉や魚、野菜や穀物の安全性は
長い目で見た時の猫の健康に、かなり影響するんじゃないかと思ってます。

この記事では、キャットフードの原材料の安全性について
管理人もみじが考えるきっかけになったことも含め
できるだけわかりやすく書いています。

オーガニックとは?具体的に書いてみた

そもそも【オーガニック】ってどういうものなのでしょうか?
なんとなくわかってても、いざ人に聞かれると考えちゃいますよね。

猫せんせい
猫せんせい

うむ、わかりやすくまとめてもらえると助かりますな。

(猫先生がまとめてくれるわけじゃないのか…)
というわけで、農作物と家畜についてまとめてみましたよ。

【農作物(野菜、穀物、果物など)のオーガニック基準】

  • 化学肥料や農薬を2年以上使っていない土地で栽培する
  • 化学合成物の殺虫剤、農薬、肥料は使用禁止
  • 種や苗もオーガニックであること(遺伝子組み換えはダメ)
  • 遺伝子組み換え技術を使用しない

【畜産物(鶏、牛、豚など)のオーガニック基準】

  • 飼料(エサ)はオーガニックのものを使用する
  • 遺伝子組み換え技術を使用しない
  • 成長ホルモン剤、合成アミノ酸を使用しない
  • 医薬品(抗生物質など)はできるだけ使用しない(予防目的はダメ)
  • 畜舎の環境に配慮し、できる限り、常に野外への放牧を行う。

おおざっぱですが、こんな感じ。
オーガニック認証機関は日本はもちろん、アメリカ、EU各国など
国ごとにたくさんあり、それぞれ少しづつ基準に違いはありますが、
だいたい上に書いたようなものが基準になっています。

結構厳しい基準だな、と思います。

農薬や殺虫剤を使えないと、使ったものに比べて
収穫量は確実に落ちるでしょう。
管理人もみじは庭いじりが趣味なのでわかりますが、
化学肥料は有機肥料と比べると効き目が強くて速いです。
それが使えないとなると、作物を速く大きく育てる、という
効率化がかなり落ちると思います。

家畜はエサもオーガニックですし
「畜舎の環境に配慮」というのは
風通しがよい広いスペースで、密にならない環境ということです。
加えて放牧する場所も必要、となると
そうでないものに比べてかなりコストがかかると思います。

きっかけはありふれた除草剤、オーガニックへの関心

「ラウンドアップ」という除草剤を知ってますか?
ガーデニングを楽しむ人なら知ってるかな?
ホームセンターなどで簡単に買える、ありふれた除草剤です。

管理人もみじがオーガニックに関心を持ったのは
このありふれた除草剤がきっかけでした。

従来の除草剤は、地面に出ている葉や茎だけを
枯らしますが、このラウンドアップは
葉や茎から吸収され、根っこまで
枯らしてくれる優れもの。

生命力の強い雑草は根っこが残っていると
除草剤を撒いてもあっという間に
また生えてしまいますが、
ラウンドアップは根っこから枯らしてくれるので
除草効果がとても長持ちします

このラウンドアップ、実は農業でも幅広く使われているんです。

特に、穀物や大豆など、キャットフードによく使われる食品ですが、
ラウンドアップはかなり幅広く使用されているようです。

ラウンドアップの主成分、【グリホサート】の危険性とは?

ところが近年、このラウンドアップの主成分である
【グリホサート】の危険性がさまざまに言われるようになっています。

きっかけは2015年、WHO(世界保健機関)の下部組織である
IARC(国際がん研究機関)がグリホサートの発がん性を
5段階のうち2番目に高い、2Aと評価したことです。

【2A】は「ヒトに対しておそらく発がん性があると考えられるもの」
という評価で、
ヒトでのデータはまだないけど、動物実験では発がん性があったよ、
ということです。

動物実験で発がん性が認められたなら、
ヒトはともかく猫はヤバいんじゃないか…と思ってしまいます。

発がん性以外でも

  • 腸内細菌の異常

腸内細菌の培養モデル系に、「ラウンドアップ」を添加して
培養し細菌の生残を調べた研究28では、
ボツリヌス菌やサルモネラ菌などの悪玉菌は耐性で生残するが、
乳酸菌類など善玉菌の多くで減少が報告されている。

(岩波書店が発行している月刊科学雑誌「科学」に掲載された論文、
「除草剤グリホサート/「ラウンドアップ」のヒトへの発がん性と多様な毒性」
より引用しています)

  • 腎臓への悪影響

2019 年の論文では、グリホサート原体がヒト腎臓の
尿細管細胞に存在する NMDA 型受容体を活性化し、
細胞内カルシウムイオンを上昇させ、
活性酸素を誘導して細胞死を起こし、
この作用がNMDA 型受容体特異的なアンタゴニストによって
抑制されることが報告された。

(岩波書店が発行している月刊科学雑誌「科学」に掲載された論文、
「除草剤グリホサート/「ラウンドアップ」のヒトへの発がん性と多様な毒性」
より引用しています)

※「アンタゴニスト」とは、生体内の受容体分子に働きかけ、
神経伝達物質やホルモンなどの働きを阻害する薬。
拮抗薬(きっこうやく)、遮断薬(しゃだんやく)とも呼ばれます。
上の引用分だと、
「グリホサート原体が腎臓での細胞死を起こすけど
原因となる受容体に効果がある拮抗薬を使ったら抑えられました」
ってことでしょうか。

結論はまだ出ていないけど、あなたならどうする?

管理人もみじは、庭いじりが趣味なので
ラウンドアップには時々お世話になっていたんですよね。

安全だと思っていた除草剤に、こんな危険があったとは…!
けっこうショックでしたよ。

このことがきっかけで、オーガニックの食品に
興味を持つようになりました。

しかし、ラウンドアップの主成分、グリホサートについては
まだはっきりとした結論は出ていません。

製造会社のバイエルは、発がん性について否定していますし、
それに追随している国も多いです。
日本もそのひとつ、グリホサートに関してはむしろ規制を緩めています。

危険かもしれないけど、結論は出ていない。
さて、あなたならどうしますか?

管理人もみじの出した結論は、「君子危うきに近寄らず」。

オーガニックという、回避方法があるのなら、
結論が出るまでは避けて通ろう、と思っています。

猫の嗜好の問題もあり、100%の回避は難しい感じですが、
できる限りオーガニック食材を使用した
キャットフードを選ぼうと思っています。

オーガニックのキャットフード、どんなメリットがある?

オーガニック食品の良い点に関しては
色々言われていて、よく言われるのが

  • 農薬や殺虫剤、抗生物質などが含まれていない、
    またはとても少ないので安心安全
  • オーガニックでない食品より栄養価が高い
  • 抗酸化物質が多く含まれ、健康に良い

と言ったことでしょうか。
でも、これらには反対する意見もあり、
農薬や殺虫剤などは基準値内なら問題ない、
栄養価はオーガニックもそうでないものも変わりない、
抗酸化物質も同様に変わりない、
と言った論文や研究データもあるのが現実。

いったいどちらが正しいのか、はっきりとはわからないのが
現実だと思います。

でも、ひとつだけはっきり言えることがあります。

農薬も殺虫剤も、成長ホルモンも抗生物質も
生き物の体には必要ないものだ、っていうこと。

農薬や殺虫剤は、病気や虫の被害を減らし収穫量を増やすため。
成長ホルモンは、早く大きく育ててより多くの肉を得るため。
抗生物質は、病気を予防しより多くの肉を得るため。

それらを食べる生き物のために使われているわけではないんです。
早く、大きく、たくさん作って
利益をより大きくするために使われているんです。

それらを食べる生き物にとっては、何のメリットもないものなんです。

それでも、口に入れてしまえば
農薬も殺虫剤も成長ホルモンも抗生物質も、
体の中で代謝されます。

代謝をつかさどる臓器は肝臓、そして腎臓です。

農薬や殺虫剤や成長ホルモン、抗生物質を
体に取り込むということは
肝臓、そして腎臓に無駄な負担を与えることでもあるんです。

とりわけ、猫はヒトや犬に比べ腎臓が弱りやすく
年齢を重ねた猫にとって、腎不全は宿命ともいえる病気。

そんな猫のか弱い腎臓に、そして肝臓にも余計な負担を与えたくない。
これが管理人もみじがキャットフードに
オーガニックを取り入れようとする一番大きな理由です。

オーガニックのキャットフード、選ぶポイントは?

体に余計なものは取り入れない、だからオーガニック!

とは言うものの、オーガニックのキャットフード、
どうやって探したらいいでしょうか?
本当にオーガニックなのか?どう見極めたらいいでしょうか?

第三者認証機関に認定されているキャットフードを選ぶ

オーガニックキャットフードを選ぶときには
各国にある、公的なオーガニック認証機関に
認定されたものを選ぶのがもっとも安全です。

【世界の主な公的オーガニック認証機関】

認証マーク 名前 認証している国 特徴など
Euro leaf

EU EUの有機農業規則に従って生産された農産物であることを証明するマーク。キャットフードのような加工製品は、農業成分の95%以上が有機成分でなければなりません。
USDA ORGANIC アメリカ アメリカ農務省が管轄するオーガニック認証。ユーロリーフと同等の厳しい基準で定められた認証です。
Bio
(ビオ)
ドイツ ドイツは自然志向、健康志向が高い国民性のせいか、世界でも有数のオーガニック大国。その基準はとても厳しいもので、bioのマークはドイツ政府に許可された専門認定機関が認めたものだけが使えます。
EKO オランダ オランダの認定機関、SKALによって認定されたオーガニック認証。SKALは民間団体ですが、IFOAMという、世界有数の規模を誇る有機農業推進NGOの認可を受けているので信頼性は高いです。

表に挙げたもの以外にも、各国ごとに政府が定めるオーガニック認証もありますし、
EKOのように、IFOAMの許可を受けた団体から認定されている期間は他にもあります。

大切なのは、信頼性の高い第三者機関からの認証を受けていること。
自分で言ってるだけのなんちゃってオーガニックではなく、
厳しい基準をクリアした証である、第三者機関の認証を受けた
キャットフードを選びましょう。

認証マークがなくても、オーガニック食材を使ったキャットフードもある

上の表にあるようなオーガニック認証機関の基準はとても厳しく、
キャットフードのような加工品の場合、ほとんどの認証機関が
製品の中にオーガニック食材の占める割合が
95%前後であることが必要になります。

なので、オーガニックの肉や魚、野菜や穀物を使用していても
それらが95%という厳しい基準に満たないため、
製品そのものの認証を受けていないキャットフードもあるんです。

そういうキャットフードにもよいものがあります。
公式サイトなどで、オーガニックと謳っている食材が
きちんと第三者認証機関に認められたものかどうか、
確認してから選んでくださいね。

高い安全性、オーガニック認証されたキャットフード3選

製品そのものに、オーガニック認証を受けているキャットフード。
原材料のうち、95%以上がオーガニック、という
厳しい基準をクリアした数少ないキャットフードをご紹介しますね。

ヤラー

古くからある、オランダのブランド。
すべての商品が、ユーロリーフを始めとした
複数のオーガニック認証機関からの認証を受けている、
いわば筋金入りのオーガニックキャットフードです。

【認証されている機関】

他に、フランス農務省のオーガニック認証機関、AB (Agriculture Biologique)の認定も受けています。

値段:800g 2250円~(ドライフードの参考価格です)
ドライ、ウェット、どちらもラインナップが豊富で
それぞれ値段が異なります。

ドライ、ウェット、どちらも2種類購入してみましたが、
ドライは粒やや大きめ、8mm~10mmくらいかな。
ウェットは柔らかめのパテタイプでした。

フォルツァ10 エブリディ ビオ シリーズ

フォルツァ10は、イタリアのブランド。
原材料や商品だけでなく、自社工場も有機食品加工工場として
イタリア政府のオーガニック認証機関(CCPB)に認定されています。

【認証されている機関】

他にCCPB(イタリア農水省有機認証機関)の認定も受けています。

値段:1.5kg 3520円(ドライフード) 85g 308円(ウェットフード)

ドライフードは直径8mmくらいでした、やや平たい形。
脂肪はそれなりの量含まれていますが、油っぽさを感じない
さらっとした触感です。

ウェットフードは、水分多めの柔らかめ。
細かいつぶつぶ感のあるパテタイプです。

フォッカービオ

フォッカービオは、オランダのキャットフードブランド。
創業40年の老舗ペットフード企業、フォッカー社が製造しています。

【認証されている機関】

値段:2.5kg 6600円(ドライフード)

フォッカービオはドライフードのみ、ウェットフードはありません。

粒は直径10mmくらい、やや平べったい形です。
フードの香りは商品によってそれぞれ違いがありますが、
フォッカービオは動物性タンパク質の香りながら
さわやか?とでも言うのでしょうか、良い香りがすると感じました。

認証マークはないけど、おすすめのオーガニックキャットフード

オーガニック認証機関では、
農作物、畜産物、海産物といった食材そのものだけでなく、
それらを使った加工品にも、条件を満たせば認証が与えられます。
(キャットフードも加工品です)

でも結構基準が厳しいんですよね。
上にある表にある認証機関は、加工品の場合、
原材料のなかにオーガニック食材が95%以上ないと認証されません。

なので95%までいかないけど、オーガニック食材を使っている、
というキャットフードもあって、なかにはとてもよいものもあります。

アーガイルディッシュ ワトルキャット

アーガイルディッシュはオーストラリアのブランド。
フードだけではなく、サプリメントやミルクなども取り扱ってます。

【認証されている機関】

原材料の中では
ラム肉、キヌアなどの穀物やハーブ類で
ACOの認証を取得しています。
(ACOは、オーストラリアの
オーガニック認証機関です)

値段:800g 2442円(ドライフード)

アーガイルディッシュでは、ドッグフードも作っていて
そちらでは製品そのものがオーストラリアのオーガニック認証機関、
ACOの認証を取得しています。

どうしてキャットフードでは取得できなかったのかな?
と思って色々調べてみたんですが、
どうやら原材料に使用している魚が原因のようです。

ACOに限らず、ほとんどのオーガニック認証機関では
魚は養殖のみが対象で、天然魚は認証対象外なんです。
天然魚は生育履歴が特定できないから、というのが主な理由。
トレーサビリティ、ってヤツですね。

アーガイルディッシュのキャットフードで使用されている魚は
2種類ありますが、どちらも天然魚なんです。
だから製品全体のオーガニック食材利用率が下がってしまい、
オーガニック認証が取れなかったそうです。

しかし、それ以外の原材料はドッグフード同様、
ラム肉、穀物やハーブ類はオーガニック認証を取得したものを
ちゃんと使用しています。

粒はやや小粒、5mm~7mmくらいでしょうか。
コロっと丸っこい形です。

カンガルー、ラムなど珍しい食肉を使用、
玄米以外の穀類を使用していない点など
食物アレルギーの猫さんにもおすすめのキャットフードです。

ギャザー キャット フリーエーカー

ギャザーはカナダのブランド。
姉妹商品にナウフレッシュ、GO!があります。

【認証されている機関】

原材料中の、チキン、乾燥チキン、
エンドウ豆などが認証を取得しています。

また、カナダのオーガニック認証機関、
Canadian Organic Regime(COR)の
認証も取得しています。

値段:454g 1815円(ドライフード)

ギャザーはオーガニック食材の使用率が70%を超えていますが、
多くの認証機関の基準である、95%には届かず、
商品としてのオーガニック認証は取得できていません。

しかしそれでも使用率70%はなかなかのものだと思います。

管理人もみじは、最近ギャザーフリーエーカーを
シニア猫たちのレギュラーフードとして愛用しています。

オーガニック食材の利用率がそこそこ高いこと、
栄養バランスが穏当なこと、
そして、普通のキャットフードとしては珍しく
リン値がやや低いんですよね。

年齢を重ねた猫にぴったりのフードだと思います。
若い猫もこっそり盗み食いしてるので
嗜好性もまずまず高いんじゃないかな?

粒は小粒、5mmくらいでコロっと丸っこいです。
くどさを感じさせない、動物性タンパク質の香ばしい香りがします。

まとめ

殺虫剤に農薬、抗生物質に成長ホルモン、遺伝子組み換え技術。
安全性に問題があると言われつつも、
まだ明確な結論はでていません。

でも、生き物の体に必要はない!

これだけは確かなことです。

余計なものを体に取り入れることで
猫のか弱い腎臓や肝臓に余計な負担を与えたくない。

そう思ったら、オーガニック食材は
猫たちの心強い味方になってくれるはずです。

愛猫に健康でいてほしい、より長く元気に過ごしてほしい。
そう思ったら、オーガニック食材使用のキャットフードを試してみませんか?

 

 

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