無添加キャットフードがおすすめの理由とは?食品添加物の本当の危険性を詳しく解説!

猫の食事、栄養

愛猫の健康のため、食事にこだわる
飼い主さんが増えているようですが
無添加キャットフードに興味を持つ人も
多いようです。

でも、食品添加物が猫にどういう影響を与えるか、
ちゃんと考えてみたことはありますか?

この記事では、キャットフードに含まれる
食品添加物の危険性について
よくある理由とは違う観点から書いてみました。

キャットフードによく使われる添加物、どんなものがある?

キャットフードに使用される食品添加物には
どういうものがあるのでしょうか?

キャットフードを選ぶときの参考になればと思い
調べてみました。

主なものとして

  • 着色料(赤色○号とか)
  • 発色剤(亜硝酸ナトリウム)
  • PH調整剤
  • 乳化剤
  • 加工でんぷん
  • ポリリン酸ナトリウム
  • リン酸塩
  • 調味料

などがあります。

上のふたつ、着色料や亜硝酸ナトリウムは、
昔から発がん性があるなどと言われていて
猫の健康を気遣う飼い主さんなら
避けている方が多いと思います。

しかし、それより下の5つについてはどうでしょう?
PH調整剤、乳化剤…
あまり意識せずにフード選びをしている飼い主さんも多いのでは?

実際、これらの食品添加物は
ヒトが食べる食品にもよく使用されていることもあり、
あまり気にせずにいる飼い主さんが多数派ではないかと思います。

しかし、管理人もみじは
これらの食品添加物はできる限り
避けたほうがよいと思っています。

たまのおやつに、くらいならさほど気にすることはないですが
普段の食事として、日々与えてしまうことには
隠れた危険が潜んでいます。

食品添加物には、リンが含まれているものが多い!

PH調整剤、乳化剤などいくつかの食品添加物には
リンが含まれているものがあります。

このことが管理人もみじにはとても気になるんですが
ここではリンが含まれている可能性のある添加物を
簡単に説明してみたいと思います。

PH調整剤

名前の通り食品のPHを調整する添加物。

たいていの場合、食品を酸性に保つことで
腐敗や変色、風味の劣化を防ぐ効果を持っていて
かつてよく使用されていた保存料の代わりとして
多くの食品に利用されています。

PH調整剤、とひとくくりに表示されますが
実は色々な種類があります、30種類以上。

その中のいくつかにリンが含まれています。
たとえば、リン酸、リン酸二水素ナトリウムなど。
どの種類のものを使用していても
一括してPH調整剤と表示すればよいことになっているので
私たち消費者にはその内容がわかりません。

乳化剤

乳化剤とは、本来混ざらないものを
混ぜられるようにするために使用される食品添加物です。
たとえば水と油のように。

ほかにも、泡を安定させてボリュームを出す、
逆に泡を消して表面に滑らかさを出す、
ツヤを出す、透明度を上げることでおいしそうに見せる、
といった使い方もできるようです。

乳化剤にもいくつか種類があって
その中にはリンが含まれているものもあります。
たとえば、ピロリン酸ナトリウム、メタリン酸ナトリウムなど。
PH調整剤と同じように、どの種類のものを使用していても
一括して乳化剤と表示すればよいことになっているので
私たちにはその内容がわかりません。

ちなみに、プロセスチーズには高確率で
乳化剤としてリン酸塩類が使用されています。

加工でんぷん

でんぷん、と聞くと食品かなと思いがちですが
加工でんぷんは立派な食品添加物。
でんぷんに化学処理をほどこして作られています。

粘りやとろみをつけるためによく利用されているようです。

加工でんぷんもPH調整剤や乳化剤と同じく、
さまざまな種類があり、
その中にはリンが含まれているものもあります。
たとえば、リン酸化でんぷん、リン酸架橋でんぷんなど。
でも、PH調整剤や乳化剤と同じように、
どの種類を使っていても加工でんぷんと表示するだけでよいので
やはり私たちにはその内容がわかりません。

ポリリン酸ナトリウム

ポリリン酸ナトリウムはリン酸塩の一種。
肉類の食感、色味をよく保つ効果があります。

リン酸塩の一種なので、当然リンが含まれています。

リン酸塩

リン酸ナトリウム、リン酸Naなどと表記されることもあります。
リン化合物なので、もちろんリンが含まれています。

ポリリン酸ナトリウムと似たような働きを持っていて
肉類の食感をよくしたり、変色を防いだり、
水分を含ませることでかさ増し効果があったりもします。

調味料

ヒトが食べる料理に使用される、
醤油や砂糖、味噌などは「食品」ですが
化学的に合成されたものは食品添加物です。

キャットフードに醤油や砂糖、味噌などが
必要とは思えないので
キャットフードに含まれる「調味料」は
食品添加物だと思ってよいでしょう。

食品添加物の調味料にはさまざまな種類があります。
代表的なのが

  • グルタミン酸ナトリウム(昆布の風味)
  • イノシン酸二ナトリウム(かつお節や煮干しの風味)
  • コハク酸ナトリウム(貝類の風味)

これらは言ってみれば味の素みたいなもの。
これだけならよほど大量に入っていない限り
そんなに危険はないと思います。

でも、なぜか食品添加物の「調味料」には
リン酸三カリウム、リン酸水素二カリウムなどの
無機リンを含む化合物も含まれるんです。

調べてみたんですが、
どうやらこれらのリン酸類は
上で書いたPH調整剤的な使われ方をするようです。
なんで調味料にPH調整剤?って謎なんですが
調味料にこれらのリン酸類が含まれていてもおっけー、
なのは事実のようです。

「調味料」の表示方法ってちょっと複雑で
種類によって4つのグループに分かれています。

アミノ酸、核酸、有機酸、無機塩、の4つ。
気になるリン酸化合物は無機塩グループです。

表示するときは、たとえばアミノ酸グループだけを
使用した調味料なら「調味料(アミノ酸)」と
あとから()で内容を表示する決まりなんですが
複数のグループを使用している場合は
「調味料(アミノ酸等)」とあいまいな一括表示になるんです。

だから気になる無機塩グループが含まれている調味料も
(○○等)と一括表示されてしまうと
入っていても私たちにはわからないんですよね。

食品添加物に含まれるリンは過剰摂取を起こしやすい!

食品添加物にリンが含まれるものがあることは
ヒトの世界でもよく知られていて
近年、これがリンの過剰摂取につながる危険性が指摘されています。

食品に含まれるリン添加物の危険性については、
欧米を中心に警告が発せられるようになりました。
(財団法人 日本腎臓財団の小冊子「腎不全と生きる」より引用)

これは「知らずにとっているリン」という
読み物からの抜粋ですが、さらに

無機リンは有機リンに比べて吸収が高く、
リン添加物は日常の食生活で摂取するリンの量を
著しく増加させる恐れがあります。

とも書いてありました。

食品添加物のリンは無機リン、吸収率が高い

さて、上の引用分のなかに

「無機リンは有機リンに比べて吸収が高く」

とありますが、無機リンと有機リンっていったい何でしょうか?

簡単に言うと、
有機リン=食べ物に含まれるリン
無機リン=食品添加物に含まれるリン
です。

この2つ、何が違うかというと、
上の引用文にもあるように、体に取り込まれる量、
つまり吸収率にかなりの違いがあるんです。

有機リンは食べ物の種類にもよりますが
大体20%~60%くらいなのに対して
無機リンはほぼ100%、体に吸収されてしまいます。

つまり、食品添加物に含まれる
無機リンを日常的に摂取していると
体に取り込まれるリンの量が増えてしまう、ってことです。

キャットフードの成分分析値には
栄養素の配合率が書いてありますが
ドライフードだとリンの配合率は1%前後くらいです。

同じ1%のリンでも
有機リンだけのキャットフードと
無機リンが含まれるキャットフードでは
体に取り込まれるリンの量が違ってくるよ、ってこと。

食品添加物自体、キャットフードにそんなに大量に
含まれているわけではないのでしょうが
日々の主食として、食品添加物を使っているフードを
長く与え続けたとき、
小さな差が積み重なって腎臓にダメージを与えてしまう、
管理人もみじはそう考えています。

POINT

ここまでのまとめ

・食品添加物にはリンを使用しているものがある!
・食品添加物に含まれるリンは無機リン
食べ物に含まれる有機リンより体への吸収率が高いから
リンの過剰摂取を起こすリスクがあります・

リンの過剰摂取、猫にはどんな影響がある?

管理人もみじは、猫が日常的に食べる食事に
食品添加物が使用されていることで
知らない間にリン過剰になることを心配しています。

リンを過剰摂取することの何が悪いのか?
ここでは猫が継続的にリンの過剰摂取をしてしまうことで
どんなことが起こりえるか、わかりやすく説明してみますね。

リンの過剰摂取は腎臓にダメージを与えてしまう!

リンの過剰摂取を日常的に繰り返すことで
腎臓にダメージを与えてしまうことは
ヒトの医学ではごく普通に語られています。

飼料中リン濃度を正常濃度の5倍量の1.5%に調整した高リン食をラットに投与し、リン過剰摂取の腎臓への影響を観察したところ、腎臓中カルシウム、リン濃度が増加した。また、カルシウムを特異的に染色するコッサ染色を施し、光学顕微鏡によって観察すると多量のカルシウム沈着が認められた。この結果から、リン過剰摂取は腎臓にカルシウム沈着すなわち石灰化を引き起こすことが示された。
(東京農業大学HPより)

こちらは東京農業大学のHPからの引用ですが、
ラットを使った実験で、リンの過剰摂取が
腎臓にダメージを与えてしまうことを示しています。

腎不全になると、リンの制限をするのもこのためです。
腎機能が低下してしまうとリンの排出能力も下がってしまうので
体の中にリンが残りやすくなってしまい、
リンを過剰摂取しているのと同じ状態になってしまう。
だからリンは制限しないとダメなんですよ、ということです。

リンの過剰摂取は腎臓の石灰化を引き起こす

なぜ、リンが腎臓に悪さをするのでしょうか?

それは、腎臓で石灰化を起こしてしまうためです。

「石灰化」とは、簡単に言うと
体の柔らかい組織にカルシウムが沈着することです。
内臓、血管、皮下組織…いろいろなところで起きます。

これが腎臓や腎臓をめぐる血管で起きてしまうと
組織の炎症や繊維化を引き起こしたり
血管内部が沈着したカルシウムのせいで狭くなり
血流が妨げられたりすることで
腎機能を低下させてしまいます。

石灰化が腎臓に悪いのはわかったけど
それがリンとどんな関係があるの?

ハイ、おおいに関係があるんです!

リンの過剰摂取で血液中にリンが増えてくると
体はミネラルのバランスを取ろうとして

「リンばっかり多くてヤバい!
カルシウムも増やさなくちゃ!」

となり、骨を溶かしてカルシウムを血液中に流し込むんです。

しかし、リンとカルシウムってとてもくっつきやすいんです。
身近な例が歯石、あれはリン酸カルシウム、
口のなかでリンとカルシウムが結合してできます。

だからリンが過剰になった状態で、
血液中にカルシウムが溶け出すと
簡単にくっついてリン酸カルシウムになってしまう。

このリン酸カルシウムが体の柔らかい組織に沈着するのが
「石灰化」なんです。

ひと昔前は石灰化はカルシウムの摂りすぎが原因と言われ
カルシウムの摂取を控えましょう、なんて言われていましたが
今はリンの過剰が石灰化の原因であると言われています。

沈着してしまったリン酸カルシウムは
基本的に、もう取り出すことができません。
一度できてしまったらそのままにしておくしかないんです。

腎臓にとっては、取り返しのつかないダメージになってしまいます。

ここまでのまとめ

【意外と知られていない、リン過剰が猫にとって危険な理由とは?】
・リン過剰が長く続くと腎臓の石灰化が起きるリスクがある
・石灰化は腎機能を低下させてしまいます
・石灰化は治せません!腎機能の低下も治せない!

リンの過剰摂取、危ないのは食品添加物だけじゃない?

管理人もみじは、ここまで食品添加物が
リンの過剰摂取につながるリスクについて書いてきました。

でもリンの過剰摂取リスクは他にもあるんです。

それは「エキス」。
エキス類にも無機リンが含まれている可能性があります。

人間の食べ物にもよく使われていますが
キャットフードにも広く利用されています。
比較的お安いキャットフードだと
高確率でエキス類が配合されていますよ。

たとえばこんな感じ。

このエキス、どういうものかというと

食品として用いられる農・水・畜産物を原料として、衛生的管理の
下に抽出又は搾汁、自己消化、酵素処理、精製、濃縮等により製造し、原料由
来の成分を含有するもの、またはこれに副原料、呈味成分を加えたもので、食
品に風味を付与するものをいう。
(日本エキス調味料協会HPより)

わかりにくい文章ですが、
簡単にいうとアルコールや酵素、
加水分解などの方法を利用して
人工的に作られたうまみ成分です。

いわゆる「出汁」(かつおだしとか昆布だしとか)より
少量で強烈なうまみを添加することができます。

これだけなら、そんなに心配することは
ないような気もしますが
日本エキス調味料協会のHPを
さらに読み進めると気になる記述が出てきました。

一般食品及び食品衛生法で
使用が認められている食品添加物を
必要に応じて使用することができる。

えーと、つまりエキス類には
食品添加物を入れてもいいよ、ってことですよね。

食品添加物の使用目的については

保存性の向上、物性の改良、呈味、風味の強化、改良等

とあります。
「保存性の向上」、「風味の強化」とあるところを見ると
予想される添加物は、PH調整剤や調味料あたりでしょうか。

エキスに含まれる添加物は表示義務ナシ!入っていてもわからない

エキスそのものは食品添加物ではなく、
加工食品という分類です。

この加工食品、エキスに限らずいろいろありますが
加工食品として使われている場合、
食品添加物を使用していても、
それを表示する義務がないんです。

どういうことかと言うと…

仮に、スーパーで「○○エキス」という商品が売っていたら
○○エキスにどんな材料が使われているか表示する決まりがあります。
食品添加物を使っていれば、当然それも記載しなければなりません。

でもキャットフードや人間用の食品に
同じ○○エキスが使われていたら
それは「加工食品」という扱いになるので
○○エキスの中身まで表示する必要はない、
という決まりになっています。
こういう場合、○○エキスの中身はブラックボックス、
何が使われているのかさっぱりわかりません。

これがエキス類のちょっと心配なところなんですよね。

加工食品については、他の記事でも書いてます。
なにがなんでも避ける!とまでいかなくても
こういうリスクもあるんだよ、ということで
飼い主さんの心に留め置いてほしいところです。

日常的に与えるキャットフードは無添加がおすすめ!

食品添加物には、体への吸収率が高い
「無機リン」が使用されていることが多く、
知らないあいだにリンの過剰摂取になってしまうことがある。

そして、リンの過剰摂取状態が長く続くと
「石灰化」が起きて腎臓にダメージを与えてしまうことも。

キャットフードを選ぶとき、
ぜひこのことを思い出していただけたらと思います。

愛猫の健康、長生きを願うのなら
食品添加物はできる限り避けたほうがいい。

管理人もみじは、
食品添加物不使用のキャットフードを
強くおすすめします。

コメント

  1. 中井由美子 より:

    エキスは、驚きました!実は猫ちゃをんには、おやつとして、三ツ星グルメ 無添加とろりっちを与えてました。袋の原材料を見ると、チキンエキスが入っていました。これは無機りんがはいってる可能性がありですね。怖いです。もう、買うのは辞めようと思いました。

    • もみじ より:

      中井由美子さん、コメントありがとうございます!

      必ずしも添加物ゼロにしなくてもいいと思うんです。
      好物のおやつを喜んで食べてくれるのなら
      それは猫にとって幸せなことでQOLの向上にもつながります。

      問題なのは、日常的にたくさん食べるものに
      添加物が入ってしまうことです。
      毎日主食として食べるものに、食品添加物があれば
      それはブログで書いたように、腎機能の低下に
      つながってしまうリスクが増大してしまう。

      でも、時々のおやつならいいんじゃないかな?と思います。
      できれば毎日はやめたほうがいいとは思いますが^^;

      • 中井由美子 より:

        もみじ様、こんにちは。毎日短時間ですが、少しずつもみじ様のブログの復習しています、今もみじ様のこのページを読んでいまして、コメントに気がつきました。遅くなってすみません。でもお返事は嬉しいです!実は最近、フルーツザイムを購入しました。ウエットが主食で高タンパク高脂質なので、腸内環境に悪いと思いフルーツザイムを購入しました。フルーツザイムをおやつに混ぜて食べさすのに、丁度このおやつが良いかと思い袋を見たら、チキンエキスが入ってたので、メーカーにリンとカルシウムの割合もついでに問い合わせたら、りんは0.12でカルシウムは0.038と言われました。カルシウムはリンより少ないですし、無機リンか有機りんか分からない、と言います。そこで、最近ですが、知恵袋でもみじ様に相談していました。^-^; でもメーカーと話をして、決心しました。おやつに混ぜないで、総合栄養食のウエットに混ぜて今食べさせています。普通に食べてくれて安心しています。

  2. 中井由美子 より:

    もみじ様、こんにちは。毎日短時間ですが、少しずつもみじ様のブログの復習しています、今もみじ様のこのページを読んでいまして、コメントに気がつきました。遅くなってすみません。でもお返事は嬉しいです!実は最近、フルーツザイムを購入しました。ウエットが主食で高タンパク高脂質なので、腸内環境に悪いと思いフルーツザイムを購入しました。フルーツザイムをおやつに混ぜて食べさすのに、丁度このおやつが良いかと思い袋を見たら、チキンエキスが入ってたので、メーカーにリンとカルシウムの割合もついでに問い合わせたら、りんは0.12でカルシウムは0.038と言われました。カルシウムはリンより少ないですし、無機リンか有機りんか分からない、と言います。そこで、最近ですが、知恵袋でもみじ様に相談していました。^-^; でもメーカーと話をして、決心しました。おやつに混ぜないで、総合栄養食のウエットに混ぜて今食べさせています。普通に食べてくれて安心しています。

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