猫は不調を隠す生き物。
元気に見えても、こっそり不調が進行していて
ある日急にゴハンを食べなくなってしまうこともあります。
そんな時に備えて、持っていると役に立つものをご紹介している記事です。
管理人もみじの体験談含め、参考にしてくださいね。
目次
猫の絶食、長期間になるのは危険です!
猫がまったくゴハンを食べなくなってしまう、
ほんの少ししか食べてくれない、体を維持できる量にはほど遠い。
こんな状態が長く続くことは、猫にとってけっこう危険なことなんです。
絶食が長引くと急な肝機能障害を引き起こすことも?
ご存じの方も多いと思いますが、
長期の絶食が続くと肝リピドーシスと呼ばれる
急な肝機能障害を起こすことがあります。
長く続く絶食で、
体にエネルギーになる栄養素が入ってこない状態が続くと
体は肝臓に脂肪をため込んでしまうことがあります。
これが肝リピドーシス(脂肪肝)ですね。
36時間~48時間くらいの絶食状態で
肝リピドーシスを起こしてしまうリスクが上がるようです。
ただでさえ、不調で食欲を失くしてしまっているときに
肝臓まで悪くしてしまったら、ホントに命にかかわります。
筋肉を消費してしまい、体力低下、衰弱につながる!
とはいえ、肝リピドーシスは、必ずなってしまうわけではありません。
かなりの長期間絶食でもならない猫はならないです。
でも、全く食べない、食べてもほんの少し、
こんな状態が長く続いてしまうとき、
猫の体のなかで確実に起こってしまうこともあります。
それは筋力の低下。
人もそうですが、猫もカロリーとタンパク質が不足すると
筋肉を消費してエネルギーを得ます。
特に猫は、人や犬よりタンパク質の要求量が多いので
削られてしまう筋肉もその分多い。
筋肉を消費してしまうことで
さらなる体力低下、衰弱に繋がってしまいます。
肝リピドーシスもこわいですが、
管理人もみじは筋力の低下からくる衰弱のほうが
むしろこわいと感じています。
食べる量が不足するぶんだけ、
確実に起こってしまうことですから。
保護した猫に強制給餌、備えがあったからすぐできた!
今年の2月初めに保護した老猫。
庭いじりの道具を取りに裏庭に行ったら
やぶの中から大声で鳴きながら近づいてきました。
よたよたした足取り、途中でよろけて倒れてしまい
そのまま動かなくなりました。
抱き上げてそのまま家の中へ。
よくよく見たらひどい状態でした。
びっしりついた目ヤニが口元まで続いていて、
口の周りはよだれでびしょびしょ、
極端にやせて汚れています。
そのまま病院へ連れて行こうとも思いましたが
目の疾患はぶっちゃけ命に関わることではないし
黄疸も見られないので肝臓もひどくはなさそう。
よだれはおそらく口腔トラブル。
ほかにも腎臓、すい臓など気になる要素はありましたが
病院に行って即改善できるような
病態はないように思えました。
何より、飢えている様子。
病院よりは食事だな、と思いましたが
相当長い間、まともに食事をしていない様子。
胃や腸の働きがかなり鈍っている可能性が高いので
ドライフードはもちろん、ウェットフード、
猫用ミルクでさえ受けつけてくれるか、心配でした。
さて、どうしよう…と思ったときに思い出したのが
去年儚くなってしまった猫に与えていた流動食です。
「どこかにしまってそのままになってるはず」と
あちこち探してみたら、納戸に5袋ばかり残っていました!
賞味期限も大丈夫。
というわけで、猫用経口流動食をシリンジで強制給餌しました。
濃度はごく薄めにしてほんの少しの量を。
時間をおいて嘔吐がないのを確認しながら
少しづつ与えました。
そのまま4日ほど過ごし、
少し体力が出てきたのを機に病院へ。
幸い、血液検査の結果は栄養不良以外は異常なし。
目と歯の治療に抗生剤をもらい、
関節炎が見受けられたので、
カルトロフェンという薬を注射してもらい、
注射を4回継続しつつ、後日抜歯手術も無事終了しました。
画像は1か月ほど後の姿。
目から鼻にかけて縁どられているように白っぽいのは
目ヤニと涙でツルツルに剥げてしまっていたからです。
この頃は、うっすら新しい毛が生え始めています。
推定15歳、無事生き延びて春を迎えられるように、と
「はる」と名付けました。
経験から得た教訓、高品質な流動食はすごく役に立つ!
我が家の新たな猫、はるのおかげで
流動食、特に消化に負担の少ない高品質な流動食は
いざというときに常に備えておくといいな、と
思った次第です。
はるのように、保護した猫でなくても
愛猫が急に食事をしなくなる、
極端に食事量が減ってしまった、
そんな時にすぐに利用できるものがあると
とても心強いです。
今はネットでもそういうものがすぐに買えますし
動物病院に駆け込んでも買うことができます。
でも、今すぐなんとかしてあげたい!
今日注文して明日届いたとしても、その間が惜しい。
動物病院に行く時間さえもどかしい。
そんな時に備えて、常備しておくとよいもののご紹介です。
猫の急な不調に、備えておきたい4点セットとは?
たまたま家に残っていた流動食。
これのおかげで、衰弱していた猫に
速攻で食事を与えることができました。
ご紹介するのは、猫の緊急時に役に立つ
経口流動食を与えるための4点セット。
口腔トラブルを抱えている猫さん、
高齢猫さん、腎臓や肝臓、すい臓に不調のある猫さんには
特におすすめです。
画像左上 チューブダイエットハイカロリー
画像左下 テルモ製シリンジ 5ml
画像中央 ミニサイズのホイッパー
画像右 小さめのカップ
以上が4点セットの内容です。
どれも小さめでかさばらないので
ちょっとした袋に入れて保管しておけば
邪魔にならずにしまっておけると思います。
チューブダイエットシリーズは
管理人もみじおすすめの流動食。
シリンジは、サイズが色々ありますが
猫には5mlが一番しっくりくるように思います。
食欲があって、強制給餌にも関わらず
ガンガン食べてくれるなら
10ml、20mlなどの大きいサイズのほうがいいですが
食欲がなく、一度にたくさん与えるのが難しい時は
5mlが無理なく使える感じです。
ミニサイズのホイッパーは
100円ショップでも売っていると思います。
チューブダイエットを水に溶かすとき、
スプーンなどでかき混ぜるのは正直かなり大変です^^;
ホイッパーがあると格段に、
ラクにきちんと混ざってくれますよ。
カップにチューブダイエットと水を入れて混ぜるわけですが
小さめサイズのほうが扱いやすいです。
子供用のメラミン素材のものだと
割れる心配もあまりなく、軽いので扱いやすいです。
画像のカップは100円ショップで購入しました。
流動食ならチューブダイエット!おすすめの理由とは?
管理人もみじが流動食なら
チューブダイエットをおすすめする理由はたったひとつ、
MCTオイルが配合されているからです。
MCTオイルとは?
MCTオイルのMCTは
「Medium Chain Triglyceride」の略、
日本語で言うと、「中鎖脂肪酸」です。
脂肪はどんなものでも、
炭素が鎖のようにつながった構造になっていて
炭素がたくさんつながっていると長鎖脂肪酸、
中くらいの長さだと中鎖脂肪酸、と呼ばれます。
ちなみに私たちが普段口にしている油、脂肪のほぼすべては
長鎖脂肪酸です。
また、短鎖脂肪酸というのもあって
こちらは大腸内の腸内細菌によって作られます。
食品にはほとんど含まれていません。
中鎖脂肪酸、MCTオイルは
ヤシ科の植物の種などに含まれています。
ココナッツオイルが代表格ですね。
猫が普段口にするような食物には
あまりなじみのないMCTオイルですが、
意外なことに、ヤギミルクにはMCTオイルが豊富に含まれます。
MCTオイルは消化吸収が早い!素早くエネルギーになってくれる
MCTオイルは、消化吸収が早く、
素早くエネルギーになってくれる、という特徴があります。
どれくらい早いか、というと長鎖脂肪酸のなんと約4倍!
消化吸収の道筋がシンプルだからなんですが
素早くエネルギーになる、というのは
食欲不振、衰弱時の猫にとってとても大切だと思います。
MCTオイルは肝臓やすい臓に負担が少ない!
MCTオイルは肝臓やすい臓に負担が少ない。
管理人もみじは、これもとても重要だと思っています。
上で、MCTオイルは消化吸収の道筋がシンプル、と書きましたが
それはMCTオイルが胃の中で
分解することができるオイルだから、というのがあります。
私たちが普段口にしている油、脂肪、
キャットフードに含まれる油、脂肪もそうですが
ほとんどが長鎖脂肪酸。
長鎖脂肪酸は胃ではほとんど分解されず、
小腸で、すい臓から分泌される消化酵素、リパーゼと
肝臓から分泌される胆汁酸で消化してから吸収します。
でも、MCTオイルは胃で分解できるので、
すい臓から分泌されるリパーゼも
肝臓から分泌される胆汁酸も必要ありません。
このため、普段ヒトや猫が口にしている長鎖脂肪酸よりも
MCTオイルのほうが、肝臓やすい臓に負担が少ないんです。
MCTオイル配合のチューブダイエット、猫の心強い味方に!
MCTオイルは、素早くエネルギーになり、
肝臓やすい臓に優しいオイル。
猫の心強い味方になってくれるオイルです。
チューブダイエットの猫向け商品は
どれもMCTオイルが脂肪中30%配合されています。
これは他の流動食にはない大きなメリット。
管理人もみじは、緊急時の流動食なら
MCTオイル配合のチューブダイエットを強くおすすめします!
猫向けのチューブダイエットは3種類!どれがおすすめ?
チューブダイエットは色々な種類がありますが、
猫向けの栄養バランスになっているものは
- チューブダイエット ハイカロリー
- チューブダイエット カケシア
- チューブダイエット キドナ
の3種類。
それぞれ栄養バランスが違うので
特徴とともにご紹介します。
チューブダイエット ハイカロリー
チューブダイエット ハイカロリーは
比較的健康な猫向けの栄養バランス。
高タンパクなので、カロリーはもちろん、
食事量が不足気味な時のタンパク質不足を
補える栄養バランスになっています。
タンパク質 43.0%
脂肪 28.0%
チューブダイエット カケシア
チューブダイエット カケシアは
かなりの高脂肪で、緊急時のエネルギー補給に
重点をおいた栄養バランスになっています。
タンパク質 29.0%
脂肪 55.0%
チューブダイエット キドナ
チューブダイエット キドナは
腎不全の猫に適した栄養バランスになっていて
リンやナトリウムも制限されています。
タンパク質 32.0%
脂肪 25.0%
(リン0.4%、ナトリウム0.2%)
どれにしようか迷ったら?管理人もみじのおすすめは?
ハイカロリー、カケシア、キドナ、
それぞれ栄養バランスに特徴があり、
猫さんの状態に合わせて与えるのがよいのですが
急な食欲不振に備えるのなら、
管理人もみじはハイカロリーをおすすめしたいです。
理由はたったひとつ、
タンパク質の不足をできる限り防ぎたいからです。
猫は、ヒトや犬より多くのタンパク質を必要とする生き物です。
肉食獣として長く生きてきたことが
そういう体を作りました。
タンパク質の不足は、筋肉量の減少に直結し、
猫の体力を奪い、さらなる衰弱を招きます。
食欲不振で食事量が減ってしまっているときは
タンパク質の多い流動食で
少しでもタンパク質の不足を補った方がいい、
管理人もみじはそう考えます。
食欲不振で食事量が減ってしまった、何も食べてくれない。
こんな時、強制給餌で要求量を満たすだけの
量を与えるのはなかなかむずかしいです。
これは、いままでさまざまな猫に強制給餌をしてきた
管理人もみじの実感です。
強制給餌そのものが、たいていの猫にとってはイヤなもの。
それをただでさえ、食欲がないときに、
一日に何度も、たくさん与えるのは
猫にとっても、飼い主さんにとっても
なかなかむずかしく、つらいものなんです。
量が不足すれば、タンパク質も不足しやすくなります。
だったら高タンパクの流動食で
少しでも不足しがちなタンパク質を補った方がいい。
そう思って、あえて高タンパク流動食である
チューブダイエットハイカロリーをおすすめしています。
逆に、ある程度の量を与えられそう、
うちの猫は強制給餌を嫌がらない、
そんな状態なら、猫さんの健康状態に合わせて
カケシアやキドナを選択するのがよいと思います。
まとめ、猫の急な不調、素早く対処してあげよう
ひと昔前は、たとえばすい炎になってしまったら
しばらく絶食、というのがセオリーでした。
しかし、最新の医療では、猫の場合、
絶食はかえって危険、食べさせることが大切と
言われるようになってきています。
ヒトや犬と比べると、猫は絶食によるデメリットが大きいんです。
すい炎でなくても、急な体調不良で食べなくなってしまったとき、
食事量が不足してしまっているとき、
高品質な流動食と、スムーズに与えるためのグッズを
そろえておけば素早い対処が可能ですよ。
愛猫の急な不調に備えた4点セット、
管理人もみじのおすすめです!
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