キャットフードに炭水化物はいらない?猫にとっての炭水化物を考えてみた

キャットフードに炭水化物はいらない? 猫の食事、栄養

「猫に炭水化物は必要ありません」
こんなうたい文句を聞いたことはありませんか?

このブログでも、管理人もみじは炭水化物(糖質)の過剰摂取は
肥満や糖尿病の原因になることを書いています。
猫にとっての糖質~肥満や糖尿病の原因に?!ドライキャットフードだけ、にご用心

そんな記事を書いておいてなんですが
本当に、猫に炭水化物はいらないものなのでしょうか?

猫にとって炭水化物とはどういうもの?

猫は肉食動物、野生状態ならエサは捉えた生き物です。

なので、タンパク質や脂肪を主なエネルギー源として生きています。
炭水化物は、捉えた生き物の胃に残っていた
穀物や木の実、豆類などを内臓と一緒に食べるくらいなので、
ほんの少ししか食べません。

こういう食性を続けることで、
猫はタンパク質や脂肪を消化することは得意ですが、
炭水化物の消化を一度にたくさんするのは苦手な生き物になりました。

口から入った食べ物は、胃酸や消化酵素で消化されますが、
猫は長い間、タンパク質と脂肪を主なエネルギー源にしていたため
タンパク質の消化酵素、プロテアーゼや
脂肪の消化酵素、リパーゼの分泌、活性は十分ですが、
炭水化物(糖質)の消化酵素、アミラーゼは
ヒトや犬に比べると少ししか分泌できません。

猫にとって、炭水化物はきちんと消化できるものですが、
一度にたくさん消化するのは苦手な栄養なんです。

猫には「炭水化物ナシ」がいい?

肉食獣の猫、エネルギーはタンパク質や脂肪から取れるし
一度にたくさん消化できないなら、猫には炭水化物はいらない?

猫せんせい
猫せんせい

いやいや、そんなこと言わないで炭水化物も食べさせてください。

猫せんせいにお願いされてしまいましたが、どうなんでしょうか?
猫に炭水化物って必要なのかな?

結論から言うと、答えはYES!です。

猫はタンパク質や脂肪から生きていくうえで必要なエネルギーは
すべてまかなうことができます。
その意味では、炭水化物は確かに必要ありません。

生きていくだけならね。

ただ命をつなぐだけではなく、より健康に、元気に長生きしてほしい、
そう思ったら猫にも炭水化物は絶対に必要です。

猫にも炭水化物が必要なたった1つの理由とは?

猫は、タンパク質と脂肪だけで
生きていくために必要なエネルギーをすべて作ることができます。

では炭水化物は何のために必要なのでしょうか?

タンパク質と脂肪ばかりの食事だと、猫はどうなる?

「猫は肉食獣、炭水化物は必要ありません!」

そう言って、タンパク質と脂肪ばかりの食事を続けていると
猫の体にはどういう影響があるのでしょうか?

口から入った食べ物は、すべて胃から腸に運ばれますが、
腸にはさまざまな腸内細菌が住みついていて
猫が食べたものをエサにしながら活動しています。

腸内細菌には、善玉菌と悪玉菌があり、
善玉菌は、穀物や豆類、野菜や果物に含まれる
水溶性食物繊維をエサにしますが、
悪玉菌は、タンパク質や脂肪をエサにするんです。

だから、炭水化物を与えずに、タンパク質や脂肪ばかりの食事をしていたら
悪玉菌はエサがいっぱいで大喜び、どんどん増殖し、
腸内環境を悪化させ、便秘や下痢、免疫力の低下を引き起こします。
腸の働きが弱くなるので、消化吸収力も低下してしまいます。

さらに悪玉菌は、タンパク質や脂肪をエサにしつつ、
硫化水素やインドール、スカトール、アンモニアなどの
体に有害な毒素を作り出しますが、
近年の研究で、これらの毒素が多く作られることで
腎臓や肝臓にも負担がかかることがわかってきています。

悪玉菌だらけの腸にならないために、炭水化物も必要!

タンパク質や脂肪ばかりの食事だと、
腸内に悪玉菌が増えて健康に悪影響がある。

その状態が長く続けば、猫にとっての大敵、
腎不全にもなりやすくなります。

タンパク質と脂肪ばかりの食事で腸内は悪玉菌だらけ、
そんな状態では、健康に大きな悪影響が出てくるでしょう。

だから、炭水化物も必要なんです。

炭水化物を摂取すれば、その分、タンパク質や脂肪を減らせます。
減らせた分だけ、悪玉菌のエサが減りますよね。

また、炭水化物は主に穀物や豆類、野菜や果物に多く含まれていますが、
これらの食品を食べることで、
善玉菌がエサにする食物繊維も摂取することができます。
エサになる食物繊維があれば善玉菌が増える、
腸内の善玉菌を増やすことで、悪玉菌の増殖を防ぐことにもつながるんです。

このように、炭水化物は腸内の悪玉菌の増殖を防ぐ効果があり、
肉食獣の猫にも必要な栄養素のひとつなんです。

猫にも炭水化物は必要、だけど少しで十分

タンパク質と脂肪ばかりの食事では
腸内で悪玉菌が増え放題。

だから猫にも炭水化物は必要です。

猫せんせい
猫せんせい

うむ、しかし炭水化物たくさんは困ります。少しでいいです。

またもや猫先生にお願いされてしまいましたが、
このお願いはとても大切なことです。

上でも書きましたが、猫は肉食獣、
タンパク質や脂肪の消化は得意ですが、
一度にたくさんの炭水化物を消化するのは苦手です。

肉食獣として長らく生きてきたことで、
タンパク質や脂肪の消化を助ける消化酵素は
たっぷり分泌され活性も高いですが、
炭水化物の消化酵素、アミラーゼの分泌量は少ないからです。

多すぎる炭水化物は、アミラーゼの不足による消化不良や
限界までアミラーゼを産生させることで
すい臓にも負担がかかります。

猫にとって、理想の食事は
高タンパク高脂肪、低炭水化物なのです。

まとめ

生きていくだけなら、命をつなぐだけなら、
猫に炭水化物は必要ありません。

でも、より長く、元気で健康でいてほしいと願うなら
少しの炭水化物はとても大切です。

多すぎても、少なすぎても健康に悪影響がある、
炭水化物は猫の食事を考えるとき、
とてもデリケートな部分のひとつでもあるんです。

炭水化物の役割を理解することで、
猫の食事に対する理解もいっそう深まるでしょう。

 

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