キャットフードの糖質~肥満や糖尿病の原因に?!ドライフードだけ、にご用心

猫にとって多すぎる糖質は危険! 猫の食事、栄養

猫にとって糖質とはいったいどういうものなのでしょうか?

猫も人と同じように、体内で糖質をブドウ糖に変換して
エネルギーとして使うことができますが、
人とは違い、糖質を使いこなすのがちょっと苦手な生き物なんです。

猫にとって糖質とはどういうものか、わかりやすく書いてみました。

糖質=甘いもの??

糖質と書くとなんとなく「甘い味のするもの」を想像してしまいますね。
しかし、糖質とはお菓子など甘い味のするものだけに
含まれているわけではないんです。

糖質は砂糖などの甘味以外に「でんぷん」も含まれます。
でんぷんは米や麦、とうもろこしやじゃがいもなどに多く含まれています。

ここまで読んで「ん?」となった方もいるのではないでしょうか?

そう、でんぷんが多く含まれるこれらの食材は
キャットフードにもよく使われていますよね。

猫は糖質の消化が苦手!

猫は糖質の消化が苦手な生き物です。

ヒトは唾液の中に糖質の消化酵素であるアミラーゼが存在しますが
猫にはそれがありません。
ヒトはご飯をよく噛むと甘みを感じますが、
あれは唾液中のアミラーゼが糖質を分解してブドウ糖を作り出すからです。
つまりヒトの場合、口の中でアミラーゼによる消化活動が始まっているんです。

猫には唾液にアミラーゼがないので、それができません。
口に入った糖質はまったく消化されない状態で胃袋へ直行しちゃいます。
口に入ったその時点で消化面でのハンデがあるんですよ。

猫は肉食獣なので、もし野生生活を送っていたら、
自分から穀物やトウモロコシ、ジャガイモなんかを
食べることはまったくありません。
食べるとしたら、捉えた小動物の胃の中にある消化途中のものくらい。
肉食獣本来の食生活なら、糖質の消化酵素であるアミラーゼなんて
ほんのちょっぴりしか必要ないんですよね。

だから唾液の中だけでなく、すい臓で作られるアミラーゼの量も
雑食のヒトや犬より少ないんです。

猫を太らせるのは脂肪ではなく糖質です!

ダイエット用のキャットフード、
「肥満防止のために脂肪を減らしました」というのが多いですよね。

確かに脂肪も取りすぎれば猫も太ります。

でも、それ以上に猫を太らせるのは【糖質】なんです!

余った糖質は何になる?

脂肪は体のぜい肉、お腹周りの脂肪、
というイメージがあり、いかにも太りやすい感じがしますが、
糖質は?

余った脂肪はそのまんま体の中で脂肪になりますが、
糖質はどうでしょう?余った糖質はどうなる?

猫せんせい
猫せんせい

うむ、脂肪になります。

そうなんです、猫せんせいの言う通り、
糖質だって余れば体の中で中性脂肪に変換されてしまいます。

脂肪だけ減らしてもダメなんです。
猫のダイエット、肥満防止には糖質を減らさなければ
効果が出にくいんですよ。

糖質はインスリンとの合わせ技で猫を太らせる

脂肪は余った分だけ体に溜まり、猫を太らせますが、
糖質は余った分以上に猫を太らせる原因にもなります。

猫せんせい
猫せんせい

うむ、インスリンとタッグを組んで我々を太らせるんですよ

ハイ、猫せんせいのおっしゃる通り、
糖質はインスリンの分泌をともなうことで
脂肪以上に猫を太らせてしまう原因になってしまうんです。

インスリンは、すい臓から出るホルモンの一種で、
血糖値をコントロールする働きがあります。

糖質が含まれる食べ物を食べると、
腸で吸収された糖質が血液に入り血糖値を上昇させます。

この血糖値を上昇しすぎないよう、コントロールするのがインスリン、
ヒトや猫の体の中で大切な役割を担っています。

しかしこのインスリンには、

  • 糖質を脂肪に変えて体に溜め込む
  • 脂肪を溜め込みやすく、分解しづらくする

という困った働きもあるんです。

脂肪が猫を太らせるのはあくまで余った分だけですが、
糖質はインスリンを分泌させることで
脂肪以上に、猫を太りやすくさせてしまうんですよ。

【合わせて読みたい、インスリンで猫が太ることがよくわかる記事】

猫はインスリン分泌が増えやすく肥満しやすい!

糖質を摂取した時に分泌されるインスリン。

これが猫を太らせてしまう一番の原因ですが、
猫の場合、ヒトや犬よりさらにインスリンで太りやすい原因があるんです。

猫は、同じ量の糖質を摂取しても
ヒトや犬より多くのインスリンを分泌してしまいます。

  • 肝臓にブドウ糖を貯めておけない
  • ブドウ糖を血液に取り込み、血糖値を下げる能力が低い
  • インスリンの働きを高めるホルモンの分泌が少ない

などがその理由ですが、
このために猫は糖質でなおさら太りやすくなってしまっているんです。

猫が糖質で太りやすいことをさらに詳しく理解できる記事

猫が糖質を多くとりすぎると糖尿病の原因にもなる?

個体差があることなので絶対というわけではありませんが、
猫が多すぎる糖質を食べ続ければ、糖尿病になってしまうリスクは
確実にあがるでしょう。

猫も人と同じように、糖質を摂取すると膵臓がインスリンを分泌しますが、
食事に糖質が多く含まれていれば、
インスリンもドバドバっとたくさん出てしまいますよね。

これを長年繰り返すことで、
インスリン反応が鈍くなったり、膵臓の疲弊で
インスリンの分泌が不足したりする、
いわゆる2型糖尿病になるリスクが増大するでしょう。

また、糖尿病にまでいたらなくても膵臓の疲弊による炎症、
つまり膵炎になるリスクも増大するでしょう。

気をつけて!カリカリのキャットフードに含まれる糖質は意外と多い

多くの猫の飼い主さんが愛用しているカリカリのキャットフード。
ドライキャットフードとも言いますが、
ドライキャットフードにはかなりの糖質が含まれていることを知っていますか?

一般的なドライキャットフードだと、だいたい35%~40%くらい、
高タンパク、グレインフリーで、良質なドライキャットフードでも、
25%~30%くらいは糖質なんです。

捉えた動物の胃の中に残っている、
ちょっぴりの穀物や木の実くらいしか食べないであろう
ネコ科の生き物である猫にとっては多すぎる量だと思いませんか?

【愛猫が食べているフードの糖質はどれくらい?計算方法がすぐわかる記事】

まとめ~猫にとって糖質はちょっぴりで十分!愛猫の食事、見直してみませんか?

ドライキャットフードだけを与えている飼い主さん、
「猫にとって糖質はちょっぴりで十分!」なんです。
多すぎる糖質は、食物アレルギーや肥満、糖尿病の原因にもなります。

愛猫の健康のために、今の食事を見直してみませんか?

【糖質の少ない食事、ウェットフードのことがよくわかる記事】

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