猫のストラバイトや膀胱炎、ホントの原因は含硫アミノ酸の不足にアリ?
の記事では、猫のストラバイトや膀胱炎は
ドライキャットフードに含硫アミノ酸が不足しているのが
本当の原因ではないか?、と書きました。
「じゃあどうしたら含硫アミノ酸をきちんと摂取できるの?」
うんうん、それすごく気になりますよね?
この記事では、猫のストラバイトや膀胱炎の予防や治療に必須の成分、
含硫アミノ酸をより多く摂取する方法をご紹介しますよ!
目次
まずは含硫アミノ酸の多い食品をチェック!
いったいどんな食品に含硫アミノ酸が豊富に含まれているのか?
まずはここから始めてみたいと思います。
猫が食べてくれそうな食品を心に一覧表にしてみました。
可食部100gあたりにどれだけ含まれているかを表示しています。
単位はmg。
カゼイン | 3100 |
かつお節 | 3000 |
まぐろ赤身(生) | 1000 |
かつお(生) | 960 |
鮭(生) | 920 |
ナチュラルチーズ | 900 |
鶏肉(胸肉、生) | 900 |
うずら卵(全卵、生) | 800 |
表を見ていただければおわかりのように
含硫アミノ酸は肉や魚に多く含まれています。
当然と言えば当然ですよね、タンパク質の一種ですから。
猫の大好物、かつお節が目立って数値が大きいのは水分が少ないからです。
生の状態なら表にあるように960mgとなります。
チーズに含硫アミノ酸が豊富なのはカゼインのおかげです。
チーズは牛乳から作られる食品ですが
牛乳からカゼインを主原料に作られるのがチーズなのです。
ちなみに表にあるカゼインもかつお節同様、乾燥したもののデータなので
数値がとても大きなものになっています。
参考までに他の食品でキャットフードによく配合されているものだと
玄米 | 330 |
麦類 | 300 |
えんどうまめ | 550 |
いんげんまめ | 510 |
とうもろこし | 410 |
大豆 | 1100 |
「あら?大豆って意外と含硫アミノ酸が豊富なのね?」
と思われた方も多いと思いますが、
表にある穀類や豆類はすべて乾燥した状態のものです。
同じように乾燥した食品であるかつお節と比べてもらえば
その差がおわかりいただけるかな、と思います。
ちなみにとうもろこしは生だと140mgくらいです。
野菜にいたっては、かなり多いほうの食品でも
100mgくらいなので省略します。
ざっくりまとめると、含硫アミノ酸が豊富なのは
猫が大好きな肉と魚、そして牛乳に含まれるカゼインにも注目したいところ。
これらをしっかり摂取すれば、もうストラバイトも怖くありません!
猫に肉と魚、どうやって食べてもらう?
さて、何を食べたらいいのかはよくわかりました。
しかし、どうやって猫に食べてもらったらいいでしょう?
猫にとって、そのままの肉や魚はたまのおやつとして与えるには
良いと思いますが主食にするには栄養バランスが悪いですよね。
ただし、チーズだけは例外で、そのままの肉や魚より
かなり栄養バランスは良いです。
カルシウムやビタミンAが含まれていることも高評価。
主食にするのはためらわれますが、
おやつとして積極的に活用するのはとても良いと思います。
ただし塩分(ナトリウム)には注意が必要。
猫用にせよ人用にせよナトリウム量をチェックしてから
与えてあげてくださいね。
で、話を戻しますが、猫に肉や魚をどうやって食べてもらうか。
やっぱり優秀だったウェットフード、常食として活用がオススメ!
そこでオススメしたいのがウェットフードです!
ウェットフードはドライフードと比べると
もともとたんぱく質の含有量が高いので
たんぱく質の形成成分のひとつである
含硫アミノ酸もそれだけ多く含まれているのです。
また、加熱の温度や時間もドライフードに比べると軽め、
だから熱で分解しやすい含硫アミノ酸も
ドライフードより残りやすいはず!
実際にドライフードとウェットフードを
たんぱく質や含硫アミノ酸の含有率で比較してみましたよ!
サンプルは「GO!」と言うフードメーカー、
ドライフードは高たんぱくのグレインフリータイプ、
ウェットフードはムース状のパテタイプです。
まずはたんぱく質の含有率から比べてみました。
成分分析値 | 乾燥重量計算後 | |
GO!グレインフリードライフード | 48% | 53.3% |
GO!ウェットフード | 11% | 50.0% |

ドライフードのほうが全然多いけど?
いえいえ、そんなことはないんですよ。
栄養素の含有率を正確に知るには
水分を抜いて計算しなおすことが必要なんです。
そこで見てもらいたいのが、表の一番右にある「乾燥重量計算後」の数値です。
乾燥重量計算、というのは水分を抜いた状態で
栄養素の含有率を計算したものなのですが、
ウェットフードが水分を抜くことにより、表示されている分析値より
ぐっと高くなっているのがよくわかりますよね。
ドライフードの水分量は10%くらい、
それに対してウェットフードは80%くらいです。
この差が、水分を含めた状態での栄養分析値で
ウェットフードの栄養価が低く見えてしまう原因なのです。
この比較だとふたつのフードのたんぱく質含有率はほぼ同じ、
ドライフードのほうがちょっと多いくらいです。
(「GO!」のグレインフリーシリーズは
タンパク質が48%とドライフードの中ではかなり高め。
標準的なドライフードだとタンパク質の含有率は
30%~40%くらいなので、ウェットフードのほうが
タンパク質の含有率が高くなることが多いでしょう。)
そして次に含硫アミノ酸の含有率。
成分分析値 | 乾燥重量計算後 | |
GO!グレインフリードライフード | 1.48% | 1.64% |
GO!ウェットフード | 0.57% | 2.59% |
どうでしょう?
乾燥重量に換算すると、ドライフードより
ウェットフードのほうが含硫アミノ酸含有率がぐっと高いですよね?
たんぱく質量がほぼ同じなのに
ウェットフードのほうが含硫アミノ酸が豊富。
これはウェットフードのほうが加熱の時間や温度が控えめなせいだと思われます。
(現在「GO!」のウェットフードは販売終了しているようですが
含硫アミノ酸の含有率までわかるフードは調べた限りでは
「GO!」しかなかったので、古いデータですが掲載しました)
愛猫のストラバイトや膀胱炎に悩む飼い主さん、
今はだいじょうぶだけどしっかり予防してあげたい飼い主さん、
オススメはやっぱりウェットフード、ですよ!!
ウェットフードってどうなんだろう?
たくさん与えちゃっても大丈夫なのかな?
そう思ったら、こちらの記事も読んでみてくださいね。

ウェットフードが猫の主食として優秀なことがよくわかりますよ。
管理人もみじの猫たちも、主食はもちろんウェットフードです。
子猫だけのものじゃない?ミルクも活用してみよう
上のほうで表にも登場するカゼイン。
牛乳に含まれるタンパク質の一種で、含硫アミノ酸がたっぷり、
ストラバイト予防、治療の助けになる隠れた逸品と言ってもよいと思います。
牛乳に含まれるタンパク質の約8割がカゼイン、
これを活用しない手はないと思います。
ミルクと言うと、子猫のものだと言うイメージが強いですが
子猫だけにしか与えないのはもったいない。
大人猫にも積極的に利用してほしいと思います。
現在、猫用として販売されているミルクには
牛乳由来のものとヤギミルクがありますが
管理人もみじのおススメはヤギミルク。
牛乳由来の猫用ミルクにも、良い製品はもちろんあります。
しかし、素の牛ミルクとヤギミルクを比べた時、
猫に向いているのはヤギミルクなんですよね。
ヤギミルクのどんなところが優れているのか?

こちらでわかりやすく説明しているので、読んでいただけるとうれしいです。
まとめ
猫のストラバイトや膀胱炎、治療や予防に欠かせないのが
タンパク質の成分の一種である含硫アミノ酸です。
含硫アミノ酸が豊富に含まれている
良質なウェットフードを主軸に
おやつや治療する時のレスキューフードとしての
生の肉や魚、チーズ(かつお節もアリ?)。
そして猫用ミルク。
これらを適切なバランスで食事に組み込むことで
ストラバイトや膀胱炎をやっつけましょう!
コメント
初めまして。いきなりコメント失礼致します。我が家には3匹の猫がいますが
そのうちの1匹がストラバイト持ちでロイヤルカナンのユリナリーs/oを4ヶ月以上食べていますが未だに治りません。今日も尿にもキラキラがたくさんありました。病院へ行っても違うフードの提案をされるだけなのでどうしたらいいのか悩みまくっていました。(今まで出来たり治ったりを繰り返してきました)
タンパク質と水分摂取が大事と聞き手作り食を習ったりもしましたが、治ってからと思っていたのでなかなか実行に移せずです。
メチオニンのサプリをあげたりもしていましたが、あまりあげ過ぎもよくないのかなど怖くなり、今は療法食のみを現在はあげています。
質問なのですが、もしウェットフードをあげる場合、おすすめはありますか?
ドライと併用する場合、今の療法食のままでいいのでしょうか?
我が家はわんこもいるのでヤギミルクは
よくあげていたのですが、猫ちゃんにはあげたことがなかったので今日からあげてみます。とにかく、何がいいのかわからなくなっています…
お暇な時で結構ですので返信いただけると嬉しいです。よろしくお願い致します。
久保田さん、こんばんは。
コメントの確認が遅くなってしまい申し訳ありません。
お答えさせていただく前にひとつ確認させてください。
今までにストラバイト治療で
抗生剤を処方されたことはありますか?
あるとしたら、飲ませてみてどうだったでしょう?
一時期にせよ治った?効果はなかった?などお聞かせください。
よろしくお願いします。