猫にとって穀物が多いストラバイト療法食がよくない2つの理由とは?

猫のストラバイト、療養食とのつきあい方その2

猫のストラバイトにはずっと療法食、ホントにそれでいいの?その1~まずは中身を知ろう
では、猫のストラバイト対応療法食には
尿phを酸性に導く含流アミノ酸が多く含まれていることをお話ししました。
そしてその多くを穀物に含まれるタンパク質でまかなっていることも。

確かに猫のストラバイトの予防や治療に含流アミノ酸は欠かせないものです。

でも、ホントにそれでいいの?
含流アミノ酸さえたくさん入ってればそれでいいの?

穀物は猫にとって消化に負担が大きい

猫は肉食獣、それゆえ本来穀物はほんのちょっとしか食べないのが自然です。
例えば野生の猫科動物なら穀物をあえて食べることはまずない。
食べるのは草食や雑食動物を捕獲し食べるときに
胃の中にある消化中の穀物を食べるくらいでしょう。

そもそも猫は膵臓でのアミラーゼ(糖質を消化する酵素)の生産量が少ないです。
だって肉食だから糖質(炭水化物)なんてあんまり食べないんだもん。
だから猫は穀物を消化するのが苦手。
これが猫に穀物アレルギーが多い一番の原因とされています。

ついでに言うと、ヒトの唾液にはアミラーゼが含まれていますが、
猫の唾液にはアミラーゼがありません。
ヒトはご飯をずっと噛み続けているとアミラーゼによる分解が進んで
ブドウ糖の甘味を感じるようになりますが、
猫にはそんな経験ができないのです。

ヒトは「ご飯はよく噛んで食べなさい」なんて言われることがありますが
それは唾液に含まれる消化酵素の力で、胃袋に入る前に
ある程度消化を進め、消化吸収の手助けをさせるためです。

これが炭水化物に関しては、猫はまったくできないのです。
口に入った段階で消化が始まるヒトとの違い、ハンディキャップを
お分かりいただけたでしょうか。

管理人もみじは穀物から得られる繊維質や
エネルギー源となる糖質を否定しません。
純粋な肉食生活は猫の寿命を縮めます。
だから猫にも穀物は与えてもよいと思っています。

でも少しで良いんです、少しで。
それなのにストラバイト対応の療法食は穀物がたっぷり…
これはどうしても納得がいきません。

グルテンはアミノ酸スコアが低い

キャットフードに利用されるグルテンは小麦ととうもろこしで
できたものがほとんどです。
このふたつの食品、どちらもアミノ酸スコアが低いんです。

「アミノ酸スコア」ってなんですか?

アミノ酸スコア、簡単に言うとタンパク質の「品質」を数字で表したものです。
点数が高いほどバランスの良い、
猫の体によいタンパク質ということになります。

肉食獣の猫にとってアミノ酸スコアは結構重要です。
アミノ酸スコアと猫の健康の関係については

で、もう少し詳しく説明してますので読んでいただけるとうれしいです。

話を戻しますが、キャットフードによく使われる小麦やとうもろこし。
これらのアミノ酸スコアはいったいどれくらいなのでしょうか?

  • 小麦      44
  • とうもろこし  42

はい、とても残念な数値ですね。
ちなみに、肉や魚はどうでしょうか。

  • 鶏肉    100
  • 鮭     100
  • まぐろ   100

100点満点です、すばらしい。

例外はありますが、動物性タンパク質はほとんどが100かそれに近い数字です。
それに比べて、植物性タンパク質はおしなべて低い。

アミノ酸スコアの低い植物性のタンパク質で
含流アミノ酸をまかなうストラバイト対応の療法食。
他にもっと良質な食材である肉や魚があるにも関わらず、です。

管理人もみじはこの点でも非常に疑問を抱かざるを得ません。

含流アミノ酸をたくさん含むのは穀物だけじゃないという当たり前の話

猫のストラバイト、予防や治療に欠かせない成分である含流アミノ酸。

含流アミノ酸が豊富に含まれている食品は穀物以外にはありません、
と言うのなら、療法食が穀物優位のレシピになっているのも仕方がないです。

でもそうじゃない、含流アミノ酸が豊富に含まれている食品は他にもあるんです。

それは肉と魚

http://fooddb.mext.go.jp/(食品成分データベース)によると
可食部100gあたりの含流アミノ酸は

小麦粉 500mg
小麦タンパク(グルテン、粉末) 1300mg
鶏肉(生) 760mg
ラム(生) 830mg
カツオ(生) 960mg
マグロ(赤身、生) 1000mg
サケ(生) 920mg

となっています。
どうでしょう?肉や魚には小麦粉やグルテン以上に
含流アミノ酸が豊富に含まれていることが一目瞭然ですよね?

「小麦タンパクが一番多いけど…?」
そう思ったあなた!ひとつだけ見逃していることがあるんです。

それは水分量。
粉末状の食品の水分量はおおむね10%くらいですが、
生の肉や魚の水分量は60%~70%くらい。
可食部には水分も含まれているので、
水分量の多い食品の栄養価は一見低く見えるのです。

比較のために猫の大好物「かつおぶし」を挙げてみますね。
カサカサ乾燥しているかつおぶし、水分量は粉グルテン同様10%くらいです。
このかつおぶし、含流アミノ酸は可食部100gあたりなんと、
2900mgも含まれているんです!

同程度の水分量で比較してみればかつおはグルテンの倍以上です。
つまり、穀物よりも肉や魚のほうが含流アミノ酸が豊富に含まれているのです。

どうしてストラバイト対応療法食に肉や魚をたっぷり使わないの??

含流アミノ酸を豊富に含んでいる肉や魚を適量食べていれば
猫のストラバイトなんてそうそうできないはずなのです。

そしてストラバイト対応療法食。
どうして肉や魚を積極的に使わないんでしょうか?
どうして米や麦、トウモロコシばっかり使うんでしょうか?

肉食獣である猫にとって自然な食事である肉や魚より
消化に負担が大きくアレルギーや不耐性を起こしやすい
穀物やグルテンを多用する。

こんな療法食はイヤだ!穀物ばっかりはイヤだ!
…って猫も叫ぶんじゃないかな?

管理人もみじもこんな療法食はイヤです。

しかし、なぜ多くのキャットフードメーカーは
こんな穀物まみれのレシピで療法食を作るのでしょうか?

猫のストラバイトにはずっと療法食、ホントにそれでいいの?その3~穀物ばっかり、その理由とは?
では、なぜキャットフードメーカーは
穀物ばっかりのレシピを採用するのか、
その理由を探ってみたいと思います。