肥満はヒトだけではなく、猫にとっても
糖尿病や肝機能の低下など健康に悪影響を与えてしまうものです。
なぜ肥満になってしまう猫がいるのでしょうか?
単なる食べ過ぎ、体質だからと片付けてしまうのではなく
今までとは違った観点から考えてみました。
これらは管理人もみじが猫について勉強したことで身についたものですが
本当に「ポロッ」と音を立てて目からウロコが落ちた気分でした。
「単なる食べ過ぎじゃなかった!」
「思いもよらない、しかもちゃんとした理由があった!」
これから書くことは、猫のダイエットをする時に
絶対押さえておきたい考え方のベースになるものです。
目次
代謝の低下、猫の不妊手術でよく起こる
これは以前から、不妊手術をした猫についてよく言われていますよね。
不妊手術をしたことでホルモンバランスが崩れ、
甲状腺機能が低下することで基礎代謝が落ちてしまうようです。
代謝が低下すると必要エネルギーも減ります。
そのまま今まで通りの食事を与えていたら太ってしまう。
だから食事制限をしましょう、低カロリー食を与えましょう、
と言うのが従来のダイエット法ですが、
これではまったく効果のない猫も多いのが現状です。
多すぎる糖質、カリカリキャットフードに気をつけて!
キャットフードについて語る時、特にダイエットにからんだ話になると
脂肪やカロリーの話しは良く出ますが
糖質についてはほとんどノータッチではないでしょうか。
でも、糖質も猫の肥満に大きく関わる栄養素であることを忘れないで!
糖質は体内で余れば脂肪となって蓄積されてしまいます。
つまり糖質も摂り取り過ぎれば猫を太らせてしまうものなんです。
さらに、糖質の取りすぎはインスリンの分泌量も増大させ、
インスリン独特の働きで脂肪の蓄積もうながすようになります。
余った分は脂肪になる、さらに脂肪が蓄積されやすくなる。
猫にとって、糖質とはそういうちょっとやっかいなものでもあるのです。
そして、ほぼすべての飼い主さんが愛猫に与えている、ドライキャットフードは
猫にとって多すぎる量の糖質が含まれているものがほとんどなのです。
困ったことに、粗悪なキャットフードの中には、「ダイエットのために脂肪を減らしました!」
なんて言いながら、その分こっそり糖質が増えてます、というものもあったりします。
猫はビタミンの不足でも肥満になる
キャットフードには、各種栄養素に関してAAFCO基準というものがあり、
AAFCO基準を満たしていればすべての栄養素は足りている、
というのが一般的な見解です。
そして多くのフードは一応この基準を満たしているようです。
しかし!猫にだって個体差というものはあるのです。
栄養素の要求量がそれぞれ違っていてもなんの不思議もありません。
肥満に苦しむ猫とスリムな猫、ビタミンの要求量が違うと考えるのが自然です。
ましてや不妊手術などによって代謝が低下していれば、代謝に関わるビタミンは
より多くの要求をすると考えた方が自然ではないでしょうか?
ミネラルが不足すれば代謝も低下する
ミネラルにはそれぞれ固有の働きがありますが、
いくつかのミネラルはタンパク質や脂肪、糖質の代謝に深く関わっています。
また体内に欠かせない酵素の活性化には(酵素が働かなければ代謝も滞ります)
マグネシウムが必須なのですが…あれ?
マグネシウムってたいていのフードで尿路疾患を防ぐために「調整」されちゃってますよね?
ゼロではありませんが控えていることは確かでしょう。
これで本当に必要なだけのミネラルが摂取できているのでしょうか?
私たちは、膀胱炎やストルバイト結石を恐れるあまり、
愛猫をミネラル不足にしてしまっているのではないでしょうか?
膀胱炎やストラバイト結石の原因はマグネシウムではありません。
泌尿疾患にはもっと別の原因、別の対処法があるのです。
腸内環境が悪化しやすい猫は、肥満にもなりやすい
腸内環境の大切さは人の医学でもよく言われますが、
猫にとってもとても重要です!
腸内環境が悪いとどのようなことになるかと言うと…
- 免疫力が低下する
- 疲れやすくなる
- 内臓の働きが低下する
- 基礎代謝が下がる
- 皮下脂肪がたまりやすくなる
主な症状を挙げてみましたが、特に下の2項目、
肥満とおおいに関係があると思いませんか?
近年の研究で、大腸で善玉菌が作る「短鎖脂肪酸」という物質がに
基礎代謝を上げ、脂肪の蓄積を抑える効果があることがわかってきました。
腸内環境がよく、善玉菌が活発に働いてくれれば
基礎代謝も上がり、脂肪も溜まりにくくなりますが、
腸内環境が悪く、善玉菌が少ないと基礎代謝が下がり、脂肪も溜まりやすくなり、
太りやすい体になってしまいます。
そして猫は、ヒトや犬と比べ、高タンパク、高脂肪の食事が理想ですが、
タンパク質や脂肪は悪玉菌のエサになってしまいます。
これでは腸内環境が悪化してしまう、では善玉菌のエサとなる食物繊維を取ろうと思うと
穀物や豆類をたくさん食べる必要がありますが、
猫にとって、穀物や豆に多く含まれる糖質は肥満や糖尿病など
健康に悪影響を与える度合いがヒトや犬より高くて
たくさん食べるのは良くない、というジレンマがあるんです。
まとめ
このように、猫の肥満は単なる食べ過ぎ、では片づけられない
さまざまな要因が積み重なっているのです。
食事を減らす前に、カロリーを減らす前に、
もっと根本的な原因を改善することで、
あなたの愛猫を健康的に肥満から解消してあげましょう!
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