猫にとって腸内環境の改善はとても大切なこと。
しかし困ったことに猫はその食性ゆえに、理想的な食事であればあるほど
腸内環境が悪化しやすいのです。
だからこそ大切!とも言える腸内環境の改善。
ヒトの世界でも腸内環境の改善、【腸活】が話題になっていますよね。
ここでは猫のための腸活の方法、考え方をご紹介します。
特別難しいなにかがあるわけじゃありません。
お気持ちがあればすぐに実行できることばかりですよ。
【読んでおきたい、腸活の効果と管理人もみじの体験談】
目次
【腸活】にはまず良質な食事、これがなければ始まらない!
どんな食事を選ぶかで猫の健康は大きく左右されます。
肥満対策、感染症予防、アレルギー対処、腎臓や肝臓への負担減、など
猫によってどんな食事が最適かはそれぞれ違うものですが、
基本となるのは原材料の質と種類、栄養バランスです。
腸活でもこれは同じ。
動物性タンパク質と脂肪が豊富で肉食獣の猫の食性にあっている。
できる限り添加物を使用していない、原材料の品質が良い。
そんなキャットフードを選ぶことが基本中の基本です。
食事と一緒に水分を、ウェットフードがオススメ!
ドライのキャットフード、当たり前だけど乾燥してますよね。
ドライフードだけの食事だと胃の中に水分がほとんどない状態です。
これだと胃液が食べたものに行きわたるのに時間がかかり
消化不良の原因になりやすいんです。
これが食べたものを吐き出すことの原因のひとつでもあります。
でも、食事と一緒に水分をとれれば
胃液が速やかに行きわたり消化もよくなりますよ。
消化のよい食事は腸活の基本、
食事と一緒に水分もしっかり摂取してもらいましょう。
とは言え、ドライフードを食べながら
水を飲んでくれる猫はなかなかいませんよね。
そこで便利なのがウェットフードです!
管理人もみじは食事にウェットフードを取り入れることを
強くおすすめします。
ウェットフードは約80%が水分、
食べてもらうだけで水分が摂取できますよ。
例えばウェットフードを100g食べてもらえば
それだけで80ccの水を飲んだのと同じなんです。
食事にウェットフードを取り入れるのは
腸内環境のためだけではなく、
泌尿疾患の予防や腎臓への負担減、
糖質を減らして猫の食性にあった食事ができる、など
猫にとってよいことがたくさんありますよ。
上で書いたように猫の食性にあった食事とは、高タンパク高脂肪、です。
ドライキャットフードは形をきちんと作るために
どうしてもある程度のデンプン(糖質)が必要になってくるので
その分、タンパク質や脂肪が少なくなってしまいます。
でもウェットフードはそんな必要がないので、
良質なものなら、高タンパク高脂肪が自然と達成できているんです。
【合わせて読みたい、ウェットフードの良いところがよくわかる記事】
ドライキャットフードは糖質の補給のために与える
ドライキャットフードはあげちゃダメなの?
いえいえ、そんなことはありません。
猫のエネルギー源になる栄養素は、タンパク質、脂肪、糖質(炭水化物)の3つだけ。
肉食獣の猫には、タンパク質と脂肪が多く、糖質はちょっぴり、というのが理想ですが、
タンパク質や脂肪は腸内で悪玉菌のエサになってしまい、
腸内環境を悪化させる原因にもなるんです。
だからあまりにタンパク質と脂肪ばかり、に偏ってしまうと
腸内環境を良く保つことが難しくなりますし、
多すぎるタンパク質は腎臓にも負担がかかります。
ちょっぴりとは言えバランスを保つために必要なのが糖質なんです。
食事はウェットフードだけ、となると、どうしても糖質が不足がちになるんですよね。
なので、ウェットフードとドライフードを併用するのが管理人もみじのおすすめです。
いよいよ【腸活】!発酵食品で乳酸菌を補給する
食事が整ったら、準備オーケー。
いよいよ本格的に【腸活】に取りかかりましょう!
管理人もみじがまず最初におすすめしたいのは【発酵食品】です。
発酵食品とは?
発酵食品とは、様々な菌やカビなどで食べ物のタンパク質や炭水化物を分解し、
分解することで風味や保存性を上げたり、消化が良くなったり、と
体に良い影響を与えるようになった食品のことです。
代表的なものだと
牛乳を乳酸菌で発酵させたヨーグルト、
大豆を納豆菌で発酵させた納豆、などがありますよね。
発酵食品には、乳酸菌や酵母菌などの善玉菌が豊富に含まれているので
腸内環境を整える効果がとても高いんです。
それに、菌の働きで食品を分解する過程でビタミンやミネラルが増えたり
酵母菌のように元から豊富なビタミンを含んでいるものもあります。
ほとんどの発酵食品は、発酵前の状態より栄養価が高くなっているんです。
ビタミンやミネラルは、食べたものの消化吸収、代謝にかかわるものも多く、
食べたものの栄養を無駄なく吸収することで、腸内環境の助けにもなります。
猫の腸内環境を改善するために、まずは発酵食品のサプリメントをおススメしますよ。
発酵食品のサプリメント、どれくらい与えればいい?
ここでは、わかりやすいように「サプリメント」という表現を使ってますが、
発酵食品は薬や合成物ではなく、「食べ物」です。
薬のように、規定量をきちんと守る必要はありません。
愛猫にちょうどよく効果が現れる、その量だけ与えればそれでオーケー。
少なめでも多めでも全然問題ないですよ。
さらなる効果を期待するなら、水溶性食物繊維をプラスする
管理人もみじは、今飼っている猫4頭、わりと長くお預かりしていた猫3頭、
あわせて7頭の猫すべてに発酵食品サプリメントを与えました。
それでわかったのは、効果にかなりの個体差があるということ。
規定量の半分くらいで十分な効果が現れる猫もいれば、
多めに与えてもイマイチだなあ、という猫もいます。
今ひとつ効果が感じられない場合、発酵食品の量を増やすのもいいですが、
腸内の善玉菌のエサになる、水溶性食物繊維のサプリメントを与えるのもおすすめです。
水溶性食物繊維は、乳酸菌と同じくらい、
いえ、もしかしたら乳酸菌そのものより
猫にとって重要なものなんじゃないか。
管理人もみじはそう考えています。
水溶性食物繊維で善玉菌が増える?
水溶性食物繊維が【腸活】に効果があることは
なんとなく知っている人も多いと思いますが、
具体的にどういう仕組みで効果が出るのか、知ってますか?
よく聞く言葉に
「水溶性食物繊維は善玉菌のエサになる」
「水溶性食物繊維は善玉菌を増やす」というのがありますが、
お恥ずかしながら、管理人もみじはこの言葉を聞いて
善玉菌は水溶性食物繊維を食べて細胞分裂するみたいに増える、
と思っていました(汗
でも実際は違ってました。
水溶性食物繊維を摂取しても善玉菌が直接増えるわけではないんです。
水溶性食物繊維の効果、腸内では何が起きる?
エサになる、とか増えるという言葉は
ちょっと誤解を招きやすいと思います。
と、勘違いしていた管理人もみじは言い訳半分に思いますw
正確に言うと、
「善玉菌が水溶性食物繊維を発酵させる」のです。
このことを「善玉菌の『エサ』になる」と言ってるんですね。
腸内で、善玉菌による発酵が起きるとどうなるかと言うと、
腸内が酸性になります。
キムチが古くなると、発酵が進んで酸っぱくなるのと同じです。
善玉菌はもともと酸性環境を好むので、酸性大歓迎、居心地がいいです。
だけど悪玉菌はアルカリ環境を好むので、
腸内で水溶性食物繊維の発酵が起こり、酸性化が進むと
悪玉菌が減り、相対的に善玉菌が増えるんです。
この状態を「善玉菌が『増える』」と言っているんですね。
つまり、水溶性食物繊維は
善玉菌が居心地よい状態を作り、悪玉菌を減らす、
いわば、善玉菌が住みやすい環境を整える効果がある、
ということだったのです。
猫にとって、水溶性食物繊維が重要な理由とは?
でも、乳酸菌だけたくさん取ってれば大丈夫なんじゃない?
いやいや、猫の場合、それだけでは悪玉菌に勝つのは難しいんですよ。
猫先生に先に言われてしまいましたが、その通り。
善玉菌が水溶性食物繊維を発酵させるのと同じように、
悪玉菌は、タンパク質や脂肪を発酵(というか腐敗)させます。
そして、善玉菌が発酵により、腸内を酸性にするのとは逆に
悪玉菌はタンパク質や脂肪を『エサ』にすることで
腸内をアルカリ性にしてしまうのです。
こんな風に、腸内では常に善玉菌と悪玉菌が正反対の働きで
せめぎあっているわけですが、
ここで猫の食事について考えてみてください。
真性肉食獣の猫、高タンパク高脂肪低糖質の食事が理想です。
つまり、猫にとって理想の食事であればあるほど、
腸内には悪玉菌の『エサ』がたくさんあることになってしまうんです。
このことは、
猫の腸内環境が悪化しやすいたった1つの理由とは?
でも詳しく説明していますが、
肉食獣にふさわしい食事は、タンパク質と脂肪がたっぷり、
そして食物繊維、特に水溶性食物繊維が不足しやすいです。
だから、猫の【腸活】には、雑食のヒトや犬より、
悪玉菌に対抗するための水溶性食物繊維がとても重要になってくるんです。
ちなみに、動物用のサプリメントで
水溶性食物繊維のサプリメントはあまり見かけないです。
なので、水溶性食物繊維のサプリメントはヒト用のものを使ってください。
管理人もみじも、今使っている水溶性食物繊維のサプリメントはヒト用のものです。
まとめ
ここまで読んでくださったあなたには、
猫の【腸活】について、おぼろげながら理解していただけたと思います。
でも、具体的に何を選んだらいいのかがわからないし
ちょっとイメージがつかみづらいです。
ハイ、そうかもしれません。
すべてをひとつの記事にまとめるととんでもなく長くなってしまうので、
この記事では、あくまで大雑把な輪郭、考え方の部分を主に説明してきました。
でも、大切なのは、どうやったら猫の腸内環境を改善できるか、
その考え方なんです。
ただ、「このフードを与えてください、このサプリを与えてください」だけでは
なぜそれが必要なのかをきちんと理解できません。
飼い主であるあなたが、愛猫の腸内環境を改善するために
何が必要なのか、何を排除すべきなのかを理解することが大切なんです。
ひとくちに猫といってもその個体差はさまざま。
私の猫によいからあなたの猫によいとは限らないのです。
そんな時、きちんと理解ができていれば
あなたの猫にあったオーダーメイドの食事がちゃんと作れますよ。
5/31 追記
【猫の腸活】について、食事の選び方と
管理人もみじが長らく愛用しているサプリメントを
ご紹介する記事も書いてみました。
管理人もみじが13年やってきたことをすべて公開、
食事もサプリメントも普段愛用しているものをご紹介しています。
コメント