グレインフリーはもう古い?!キャットフードの新しいトレンドになるかもしれないレジスタントスターチとは?

キャットフードにレジスタントスターチ 猫の【腸活】腸内環境改善

キャットフードの世界では、グレインフリーと言って
穀物を使用しないものが長らく人気ですよね。

ヒトの世界でも、糖質制限ダイエットが人気。

しかし、ここにきて、糖質を含む炭水化物が新たな視点から
見直されつつあるようです。

それが「レジスタントスターチ」
ちょっと気が早いかもしれませんが、キャットフードの世界での
レジスタントスターチの可能性を探ってみたいと思います。

レジスタントスターチとは?

レジスタントスターチとは、難消化性デンプンのこと。
レジスタントスターチ、と英語で聞くとわかりにくいですが、
消化に抵抗(レジスタント)するデンプン(スターチ)ってことですね。

レジスタントスターチは、穀物、豆、イモ類など、
炭水化物が多い食品に少量含まれていて、
普通のデンプンが小腸で消化、吸収されエネルギーになるのに対し、
レジスタントスターチは消化されないまま、大腸までたどり着き、
糖質なのに、水溶性食物繊維や不溶性食物繊維と同じ働きをしてくれます。

レジスタントスターチは、2種類の食物繊維の特性を併せ持つ優れもの

猫は純粋な肉食獣で、高タンパク、高脂肪、低糖質の食事が理想です。

でもこういう食事は腸内環境が悪化しやすいんですよね。
腸内の善玉菌が炭水化物に含まれる水溶性食物繊維や
オリゴ糖のように大腸までたどり着ける糖質をエサにするのに対し、
悪玉菌はタンパク質や脂肪をエサにするからです。

また、肉食だと不溶性の食物繊維も不足しやすいので
腸内環境の悪化と合わせて、便秘にもなりやすいです。

レジスタントスターチは、デンプン(糖質)なのに、
小腸で消化吸収されず、大腸まで届きます。
そして、善玉菌は糖質が大好きなので、
レジスタントスターチをエサとして取り込み、発酵させ、
短鎖脂肪酸など、体に有用な成分を作り出してくれるのです。

猫せんせい
猫せんせい

ふむ、水溶性食物繊維と同じような働きをするんですな。

 

さらに、胃や腸で水分を吸収して膨らみ、腸管を刺激して
腸の動きを活発にしてウンチを出やすくする効果もあります。

猫せんせい
猫せんせい

ほぉ、不溶性食物繊維とほぼ同じような働きですな。

いわば、一人二役。
レジスタントスターチは、水溶性食物繊維と不溶性食物繊維、両方の顔を持っています。
猫にとって不足しがちな2種類の食物繊維、どちらの役割も果たしてくれる
優れものなんですよ。

レジスタントスターチ、猫の体にどんな効果がある?

レジスタントスターチは、水溶性、不溶性、2つの食物繊維と同じような働きをするので
その効果は普通の水溶性、不溶性食物繊維とほぼ同じと言ってよいです。

なので、普通の食物繊維と同じように、腸内で善玉菌のエサとなり、
腸内環境を整えるのに役に立ってくれるんです。

さまざまな効果がありますが、どれも腸内環境を整えることから起きるものがほとんど。
なかでも、猫にとって特に有用なものを簡単に説明してみますね。

中性脂肪やコレステロールを下げる効果

レジスタントスターチは血液中のコレステロールや中性脂肪の低下など脂質代謝改善効果が報告されている。

(独立行政法人農畜産業復興機構のHPより引用)

レジスタントスターチには、腸管内でコレステロールや脂肪の吸収を妨げる効果があり、
このためコレステロールや中性脂肪を減らす効果があるようです。

免疫力を上げる効果

腸には免疫細胞の約70%が集まっています。
レジスタントスターチは、腸内で善玉菌のエサとなることで、
腸内環境を整え、免疫力を上げる役割を担っています。

便秘や下痢の改善

レジスタントスターチは水溶性食物繊維と不溶性食物繊維、
両方の機能を持っています。

水溶性食物繊維は、ウンチを柔らかくする効果があり、
不溶性食物繊維はウンチを固める効果があります。
それぞれをバランスよくとることで、ウンチをスムーズに出せるようになるんです。

腸内環境の改善と合わせて、便秘や下痢の改善に効果がありますよ。

キャットフードにレジスタントスターチ、可能性は?

現在、レジスタントスターチを使用しているキャットフードはまだないようですが、
レジスタントスターチは、その性質から猫にとってとても有用な成分だと思います。

キャットフードにレジスタントスターチが利用される可能性、
私たち飼い主ができることも含めて、ちょっと考えてみました。

今だってキャットフードにはレジスタントスターチが含まれているけど?

レジスタントスターチは、穀物やイモ、豆類にもともと含まれている成分です。
だから穀物、イモ、豆類を使用しているキャットフードなら
当然含まれていますが、その分量割合はごくわずか。

インゲン豆 5.3%
コーンスターチ 0.99%
白米 1.2%

(Wikipediaより引用しました)

大麦やオートミール、玄米だともう少し多いみたいなんですが、
それにしたって、ほんのちょっぴり過ぎます。

肉食の猫にとって、レジスタントスターチを十分摂取するために
穀物だの豆だのをたくさん食べていたら、それこそ本末転倒ですよね。

キャットフードのレジスタントスターチは増えてる?

何年か前にテレビで紹介されていた「冷やご飯ダイエット」って覚えてますか?
あれは加熱したデンプンを冷ますと、レジスタントスターチが増えることを
利用したダイエット方法です。

猫せんせい
猫せんせい

加熱して冷ます…それってキャットフードと同じじゃニャイかな?

ハイ、その通りだと管理人もみじも思いました!
ほぼすべてのキャットフードは加熱してありますもんね、
だったら冷やご飯のように、キャットフードに入っている米や麦、イモや豆などの
レジスタントスターチは増えてるんじゃないか?って。

でも残念なことに、コレもあまり期待できないようなんです。

デンプンは加熱すると柔らかくなり、粘りが出ますよね。
炊飯器で炊いた白いご飯がまさにそれ。
そして炊いたご飯を冷まして放置しておくと、少し硬くなりパサパサになる。
これをデンプンの老化、って言うらしいのですが、
この老化するときに、レジスタントスターチが増えます。

でもそれには一定の条件があって、どうも水分が少ないとダメみたいなんです。

管理栄養士育成の専門学校のHPにあったのですが、デンプンの老化防止方法として

・80℃以上で乾燥する
・0℃以下で急速に脱水させ水分含量を10~15%以下にする

(商工技能振興会(SGS)株式会社のHPより引用しました)
という記述があったんです。
これって、ドライキャットフードに思いっきり当てはまりますよね。
ちなみに、おせんべいなども乾燥させることで老化が防止されているので
レジスタントスターチは特に増えたりしないようです。

というわけで、キャットフードに含まれるレジスタントスターチは
特に増えたりせず残念ながらごくわずかのまま、という結論になりそうです。

新登場の「ハイレジ」食品は?キャットフードと相性がよさそう!?

レジスタントスターチが注目されるのに従って
今までになかったような商品が開発されているようです。

それは「ハイレジ」と呼ばれる食品たち。
「ハイ」(高い)と「レジ」(レジスタントスターチ)をくっつけた言葉で、
レジスタントスターチが多く含まれている食品のことです。

インゲン豆のように、自然の状態で他の食品よりレジスタントスターチの
含有率が高いものも「ハイレジ」と呼ばれたりするようですが、
ここでは新たに開発された食品に絞って考えてみますね。

最近登場した主なハイレジ食品、特徴は?

キャットフードにもなじみがよさそうなハイレジ食品をふたつ紹介します。

スーパー大麦バーリーマックス

オーストラリア政府が開発した、機能性大麦。

株式会社はくばくが運営するサイトには

一般の大麦に比べて2倍の総食物繊維と4倍の「レジスタントスターチ」を含むスーパーフードなのです。

と、説明がありました。(「おいしい大麦研究所」より引用)

大麦はもともと他の穀物より食物繊維が多いのが特徴なので、
バーリーマックスが普通の大麦の2倍とか4倍とか聞くとかなり期待しちゃいますね。

アミロファイバー

こちらは株式会社J-オイルミルズが開発した、トウモロコシから作られたデンプン素材。
J-オイルミルズの説明によると、レジスタントスターチの含有率は70%近いとのこと、
これは驚異的な数値ですよね。

ハイレジ食品、キャットフードに利用される可能性は?

バーリーマックスにしろ、アミロファイバーにしろ、キャットフードに配合できれば
豊富なレジスタントスターチのおかげで、糖質摂取量を減らせるし
腸内環境は整えられるしで、いいことばかり!と管理人もみじは強く期待しています。

しかし、キャットフードに利用される可能性はどれくらいあるのかな?
考えられる問題点を挙げてみました。

価格が高い?コスト的にキャットフードには厳しいかも?

アミロファイバーの具体的な価格はちょっと不明なんですが、
スーパーマーケットでおなじみのイオン株式会社が
オリジナルブランドの「トップバリュー」で
アミロファイバーを配合したパンを販売しています。
お値段は1個118円~138円。
うーむ、トップバリュー商品にしてはちょっと高いかな?

そしてバーリーマックス、こちらはお高い!
Amazonで調べてみたら、2kgで4980円…(びっくり)
管理人もみじが普段食べているお米よりずっと高いです。

キャットフードに利用するには、コスト面で課題があるかもしれませんね。

ドライキャットフードに配合するのは難しい?

デンプンは水を加えて加熱すると粘りがでる性質があり、冷めると固まります。
ドライキャットフードはそれを利用して、固めて形を安定させています。
だからデンプンなしではドライキャットフードは作れないんです。

一方、レジスタントスターチはデンプンなんだけど糊化しないので
キャットフードを固める役割は果たせません。

なので、糊化してくれる普通のデンプンとの量的割合のバランスをとるのが
難しいのかもしれないなあ、と。

デンプンがどれくらいあれば、形が安定するのか、
正確なことは管理人もみじもわからないんですが、
レジスタントスターチを多く含むデンプン商品、食品を配合しようと思ったら
この点もネックになるんじゃないかな、と思います。

レジスタントスターチ、それでも試してみる価値がある

管理人もみじの勝手な予測ですが、
キャットフードにレジスタントスターチが配合されるにはまだ時間がかかりそうです。

でも、よさそうなものだから試してみたいな

そうですよね♪
管理人もみじも試してみたいです。

動物用サプリメントとしては、まだ販売されていないレジスタントスターチですが、
ヒト用のものなら、楽天やAmazonその他ネット通販ですでに売ってます。

管理人もみじの猫たちは、みんな肉食率が高い食生活なので
どうしても食物繊維が不足しやすいです。
なので、ウンチが少し硬めになってしまうコには
不溶性食物繊維と水溶性食物繊維のサプリメントを与えているんですが、
水溶性はともかく、不溶性食物繊維は腸に対する刺激も強いので
与える量に気を使ってしまうんです。

でもデンプンでもあるレジスタントスターチなら、
腸に対する刺激も少なそうだし、1つのサプリで不溶性と水溶性、
両方いっぺんに与えられるのはラクでいいなあ、と思ってしまいます。

そうそう、もしあなたがレジスタントスターチを愛猫に試してみようと思ったら、
合わせて乳酸菌のサプリもおススメします。
善玉菌のエサだけでなく、善玉菌そのものも一緒に摂取したほうが効果的ですよ。

ビフィズス菌はもう古い!?新たにわかった猫の乳酸菌、フェカリス菌とは?
猫の腸内環境にとって大切なのはビフィズス菌ではなく、腸球菌だということが研究で明らかになりました。この記事では、ビフィズス菌に代わる存在になる腸球菌について、その中でも有望なフェカリス菌について、わかりやすく説明しています。

こちらの記事では、猫に向いている乳酸菌について詳しく書いているので
参考にしてみてくださいね。

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